窓口支援事例
株式会社 オガワ農材
特許商標

寄生虫卵を見つけることができる検査装置

企業情報

所在地
愛知県田原市
ホームページ URL
http://www.ogawa-nouzai.com
設立年
2004年
業 種
その他サービス業
従業員数
25人
資本金
1000万円

企業概要

 国内に於ける産業廃棄物の増大に伴い、当社は2004年に食品をメインとした廃棄物処理業を開始しました。収集地域は、中部地方は勿論のこと、北は東北地方から南は山陰地方までの広範囲にある収集業者を対象に処理を行っています。現在、取引業者は大企業を始め約200社に及んでおり、現在の処理能力は99.6㎡/日です。
 収集した食品廃棄物は、「環境と健康にやさしい農業へ」というスローガンのもと、万全な臭気対策を施したエアレーションを構築し、活性完熟方式で100%堆肥に変換している。また、超活性炭による水のクラスター細分化も行っており、行政を始め各業者からも多くの信頼を集めています。

自社の強み

 食品廃棄物処理による堆肥の製造だけではなく、製造過程に於ける菌(放線菌、糸状菌、細菌、酵母菌 等)のそれらの特徴や作用・効果に対する調査、研究を基に、農薬や化学肥料を使用せずに活性化した農作物を製造することができる技術をもっています。その他に、堆肥の燃料化として有機資源燃料(ペレット)化技術の開発並びにこれらを対象としたボイラーの開発も行っています。

一押し商品

 堆肥製造で培った菌(放線菌、糸状菌、細菌、酵母菌 等)を扱う技術をさらに発展させ、国の補助金事業に採択され、多品種の寄生虫卵を見つけることができる検査機を開発しています。
 その測定装置は、自動で識別可能であり、マイクロスコープを利用して、5「μm」サイズの卵を短時間で見つけ出し、高画質で1100万画素の鮮明な画像データを保存できる特徴を持っています。識別基準として、特殊な光源と蓄積した膨大なデータ(ビックデータ)を基にして、専門知識が無い人でも簡単に操作でき、検査時間も短く数分で判別可能です。検体採取も従来法と比較して、非常に簡便で、専用のフィルムを使用して肛門と唾液から採取するだけで判定でき、検査準備も簡便であり、検査後の処理もフィルムを燃やすだけです。
 検体保存もデータ化する為に、前後の比較が容易であり、あらゆる場所に転送可能です。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 初めは、補助金事業の応募方法の相談から、国内・外に於ける類似案件の検索、製品開発後の知財化相談でしたが、出来上がった製品名の商標出願についての相談にも繋がりました。さらに海外(ベトナム、タイ国)の医療機関ならびに現地のJETROの窓口も紹介しました。また、医療機器の輸出入許可に関する届け出関係省庁や、検査機に使用する消耗品の対応方法ならびに販売展開方法についても相談がありました。

最初の相談概要

 食品廃棄物を処理することで得られる堆肥を販売されておりますが、その技術を用いて新しい業界に参入したいという相談でした。その後、企業を訪問して保有技術を聞いたところ、土壌菌(放線菌、糸状菌、細菌、酵母菌 等)の作用・効果に関する多くの情報を持っていることが分かりました。その際に、菌の判定技術を応用できる分野に進出することをアドバイスして、補助金事業に応募することを勧めました。また、併せて堆肥の名称の商標出願に関する相談もありました。

その後の相談概要

 相談者が何度も現地(ベトナム)に赴き、現地の病院、学校等で人の身体に住み着いている回虫、蟯虫等の寄生虫の画像を収集してきたデータ(ビックデータ)を、AI技術を用いて判断するソフト開発についても相談を受けました。また、現地の医療関係商社も紹介し、医療に関する情報を収集し、相談者のメリットを考えた交渉方法も指導しました。開発中の検査器をPRする上で、ベトナムでJETROが共催する医療機器に関する展示会にポスター出展した結果、多くの反響があり、その後、ハノイとホーチミンを中心にPR活動をしています。

窓口を活用して変わったところ

 中小企業の弱みである資金力不足問題の解決(補助金事業への応募)から、アイデアの具体化(試験機試作)、知的財産取得への展開方法、販売する上でのPR方法、特に海外展開に於ける問題点解決方法が理解でき、対応できるようになりました。


企業からのメッセージ

 企業の発展には、知的財産の取得・管理や販売方法等が大事であり、専門家の意見や幅広い情報を収集・活用することで、ロスのない事業展開ができて、今後の明暗を分けると思いました。特に知的財産の取得は大きな防御になるため、是非専門家のアドバイスを受けるべきであると痛感しました。

窓口担当者から一言

 資金調達を目的とした補助金事業への応募から、製品開発、国内外における販売方法の指導、また、一番重要な知的財産による保護まで指導できたことは有意義でありました。今後は、開発製品を海外で販売する上で、PCT出願も考慮して知財化に向けて支援していきたいと思います。  (浅井 信義)

寄生虫卵を見つけることができる検査装置(286.6 KB)

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掲載年月日:2017年8月23日

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