
家具調仏壇の知財保護支援
所在地 | 徳島県徳島市 | ||
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ホームページ URL | http://www.mokutiku.server-shared.com/tip/akazawa.htm | ||
設立年 | 1960年 | 業 種 | 製造業 |
従業員数 | 14人 | 資本金 | 4800万円 |
当社は、昭和35年に創業いたしました。徳島県の伝統産業である家具の製造において、阿波鏡台と称される高級鏡台を中心とした家具の総合製造メーカーです。高級鏡台の製造卸のほか、オリジナル商品や別注での特別仕様の住設家具などを製造販売しております。
当社の強みは、創業時から培ってきた指物技術、杢貼り技術、塗装技術を保有していることです。それらの技術を駆使し、生地製造から仕上げまでの一貫した製造システムを確立しており、高度な技術を要する曲面の加工には、多くの取引先・お客様から信頼を寄せられています。鏡台は婚礼道具に用いられてきたことからクオリティに対する要求は高く、当社は創業以来、そのご要望にお答えしてきたと自負しております。
2020年に創業60年の節目を迎えるにあたって、今まで培ってきた総合的な技術の新たなチャレンジとして取り組んだ分野が、今回、意匠登録出願を行った現代仏壇です。嗜好の変化や居室の洋式化にあわせて、開けると仏壇としての機能を備えつつ、収納した場合には居室と調和するデザインになっています。おかげさまで取引先からも好感触を得ております。
徳島県立工業技術センターとの共同研究の結果、完成した今回の製品(現代仏壇)を販売するにあたって、他社の模倣製品が出ないかということを心配していたところ、共同研究の担当者から徳島県知財総合支援窓口に相談してみてはどうかと紹介されたことがきっかけです。
これまで知的財産権の出願をした経験がなかったことから、特許をはじめとする各制度の概要や、出願に要する費用の目安などを説明しました。そのうえで、同製品はデザイン性に特徴があることから、意匠登録出願も検討してはどうかとアドバイスしました。また、すでに販売のためのチラシを配布していたことから新規性喪失の例外規定についてもアドバイスしました。
初回相談後、今回の製品については、徳島県との共同出願(意匠)として出願する方針を固められ、徳島県立工業技術センターの担当者とともに意匠出願の準備を進められました。当初は全体意匠での出願を検討されていましたが、定期的に開催される配置専門家(弁理士)相談を複数回活用し、そこでのアドバイスを参考に、部分意匠での出願(2件)を行いました。
同社は、特許や意匠の出願を考えたこともありましたが、費用や効果について疑問を感じることもあり、出願したことがありませんでした。今回、意匠登録出願をしたことにより、出願済商品であることや共同研究の成果であることをアピールしつつ販売活動をすることができるようになり、また、地元新聞に取り上げられるなど、出願の成果が現れています。
我々、中小企業にとって、徳島県立工業技術センターや徳島県知財総合支援窓口などの公的機関の支援は欠かせません。中小企業の状況や立場を考え、必要に応じて他の支援機関と連携して支援してくれるため、是非みなさんも気軽に利用してみてはどうでしょうか。
最初にご相談いただいたときに、すでに販売のためのチラシを配布している点が一番気になりましたが、まだその配布から数日後の相談であったため、少し安心したことを強く覚えています。徳島県立工業技術センターの担当の方も熱心に出願準備を進めていただき、スムーズな出願につながったのではないかと思います。
(青木 幸司)
家具調仏壇の知財保護支援(219.9 KB)
掲載年月日:2017年8月29日