
初のオリジナル商品への知財保護
所在地 | 長野県岡谷市 | ||
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ホームページ URL | http://www.suwa-saisoku.jp/ | ||
設立年 | 2004年 | 業 種 | 製品企画・試作業 |
従業員数 | 6人 | 資本金 | 2,040万円 |
当社は、地域産業の発展に貢献することを目的に、ものづくりの価値を共有した地元地域の企業及び大学・公設試とのネットワークを形成し、産-学、産-産連携により医療/福祉、情報/通信、環境、宇宙/航空/自動車の分野を中心とした精密部品、ユニット製品の企画から販売までをスピーディーに技術支援しています。
当社の強みは、長年培われてきた地元地域の精密加工技術を引き出すことのできるネットワークを有することです。当社のコーディネータが全国のお客様のニーズから部品加工等の依頼を受けて、依頼内容に応じた地元地域の企業及び大学・公設試とのネットワークの形成から、部品の開発から量産試作までを技術支援しています。
お客様の[アイデアを実現させたい]という要望を、当社がネットワークを活用して応えています。
当社の一押し商品は、自動三角折機能付トイレットペーパーホルダー「おりふじ」です。「おりふじ」は、トイレットペーパーを使用する長さだけ引き出し、ペーパーを軽く持ち上げると自動的にカットされ、カットした後にペーパーの先端が自動的に三角に折られて出てくる機能を持っています。
使用時には、三角に折られたペーパーの先端をつまんで簡単に引き出せます。また、ペーパーを自動カットするため、片手でも使用でき、介護・リハビリ施設や病院、ホテルや旅館などの宿泊施設、公共施設の他、トイレだけでなく、ご家庭のキッチンやリビングに誰でも簡単にご利用いただけます。
(特許第6167322号「ペーパーホルダー」)
同社は、各方面のお客様から、ものづくりに関する技術支援や試作依頼などの要望を受けており、特許等の知的財産が関係することもありますが、知的財産の担当者が不在なため、以前から知財総合支援窓口を利用されていました。今回は、同社初のオリジナル商品である自動三角折機能付トイレットペーパーホルダー「おりふじ」の開発にあたり、企画段階から窓口を活用されました。
「おりふじ」を開発したきっかけは、トイレットペーパーホルダーの試作依頼でした。最初の相談では、試作依頼を請けるにあたり、他社特許の抵触有無の判断について相談を受け、抵触のおそれがあることから、特許実施許諾契約書の作成支援を行いました。
その後、見直しを経て完成したトイレットペーパーホルダーは、他社特許と構成が異なり、かつ、顧客が求めるニーズにマッチした市場性のある商品となったため、商標も取得し、同社のオリジナル商品「おりふじ」(商標登録第5719314号)として販売することになりました。
同社の商品に含まれる新たな技術を守るため、特許出願を支援し、専門家(弁理士)の助言も受けて、特許登録されています(特許登録第6167322号)。また、販売にあたり、量産化を図るため、製造メーカに製造委託することとなり、特許実施権許諾契約について助言を行いました。
同社は、「おりふじ」が、地元岡谷市のふるさと納税の返礼品として採用されたこともあって、特許権を活用しながら事業の柱にしたいと考えられています。
以前から、特許権による技術の保護の重要性は認識されていましたが、オリジナル商品について多面的に新技術を検討し、特許権の権利範囲を決定するプロセスを体験されました。
今後も、オリジナル商品を開発し、次の主力事業へと繋げて行くにあたり、知財総合支援窓口を利用しながら、知財活用策を実行したいと考えておられます。
部品、ユニット製品の企画、試作が中心の業態から脱却してオリジナル商品を開発し、事業の柱にすることを検討している企業は多いと思います。オリジナル商品の開発に当たっては、先行技術や特許に関する情報を収集分析し、市場のニーズに合った新たな技術を創成することが鍵になります。
この先行技術や特許に関する情報を収集分析に基づいて、新たな技術を開発し、さらに、知的財産による保護と活用を知財総合支援窓口に相談し、助言を受けることが重要と考えます。
新たに自社のオリジナル商品を開発し販売することは、多くの人・物・金と情報が必要となります。この投資を還元するためには、特許権等の知的財産権による保護と活用が必要になります。今後、市場の変化によって改善改良が行われますので、変化したときには、取得した特許権等の見直しを含め、窓口支援担当者に相談して下さい。
(富澤 正)
初のオリジナル商品への知財保護(252.4 KB)
掲載年月日:2017年9月11日