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【第1回:ひみつの黄蜜芋】地域のイイもの発見し隊!

2021/10/13

INPIT地域支援部の食いしん坊メンバーが、知財総合支援窓口で支援した地域のイイものを紹介するコーナー

私たちがレポートします!

O野:高知県出身。甘いものに目がなく、子どものおやつをつまみ食いすることもしばしば。ステイホーム期間中はお取り寄せで地域の味に舌鼓を打つ。お取り寄せのし過ぎで家計が心配…。

E藤:福岡県出身。小さい頃からおいしいものを食べるのが大好き。おいしいものに関する情報はSNS等で随時チェック!最近のマイブームは、お散歩しながらパン屋さん・コーヒー屋さんめぐりをすること。

H坂:宮城県出身。コロナ禍のステイホームをきっかけにパン焼き・お菓子作りに目覚め、研究を口実にあちこち食べ比べをする日々。週末は、かっぱ橋道具街の出現率高め。

ひみつの黄蜜芋パッケージ

ひみつのヒミツ

O:見て下さい、この焼き芋!先日、大分県知財総合支援窓口の支援事例「極上のオリジナル焼き芋で豊作目指し中国進出!」を読んでいたらあまりにも美味しそうで、通販で買っちゃいました。みんなで食べましょう~♪

E:焼き芋大好物なので嬉しいです!ありがとうございます♡
パッケージ、お芋の断面図と文字のコントラストが素敵ですね。

O:このインパクト大!なパッケージデザインは大分県中小企業団体中央会のサポートにより生まれたものなんです。そして、その商品化にあたり“知的財産面の確認が必要ではないか”ということで、大分県知財総合支援窓口に協力依頼があったみたいですよ。

H:公的機関同士、連携ばっちりですね!相談する側も、自分では気が付かない事業上のリスクを多方面から支援してもらえると安心ですね。
「ひみつの黄蜜(きなみつ)(いも)」という商品名も素敵です!

O:実は当初は別の商品名を想定していたみたいなんですけど、知財総合支援窓口で調査した結果、その商品名は他者の登録商標であることが判明し、急遽商品名を再検討して「ひみつの黄蜜(きなみつ)(いも)」になったそうです!
黄蜜(きなみつ)(いも)は特許庁に商標登録もされているみたいですよ。商標登録された商品名が付いていると、誰が販売している商品か分かるので、通販でも安心して買えますよね♪

E:当初の商品名のまま進めていたら、他者の権利を侵害してトラブルに発展してしまうなどの可能性があったのですね…。新しい商品名を考え付いたら、J-Plat Patで調べたり、知財総合支援窓口に相談したりして販売前にチェックすることが大切ですね。

青果のエキスパートが作る極上の焼き芋・・♡

E:この商品を作っているタイコー青果株式会社は、1977年に大分市中央卸売市場が開業した当初から、市場内の青果仲卸として、毎日市場に入荷してくる新鮮な野菜や果物をレストラン、ホテル、スーパー、小売店舗等に届けているんですって。冷凍焼き芋の販売は、「美味しい焼き芋を日本や中国の皆さまにお届けしたい」という(こう)社長の熱意がきっかけみたいです。

H:つまり、この焼き芋は、地元の美味しい農産物を知り尽くすエキスパートによって選び抜かれた一級品のさつまいもとタイコー青果の情熱でできているということなんですね!どうりで、ひみつの黄蜜(きなみつ)(いも)には大分産紅はるかのブランド銘柄「甘太くん」が使われているんだ。通信販売で購入しても冷凍状態の真空パックで届くから、新鮮なまま食べられそう!

O:地元の農産物を使った加工品は、地域全体で応援したくなりますね~(他にも農産物の知的財産支援に関する支援事例があったから、調べてお取り寄せしちゃおうかな…)。

ひみつの黄蜜芋盛り付けイメージ

いざ、実食~!

ひみつの黄蜜芋実食イメージ

(一同言葉を失い、幸福感に包み込まれる・・)

H:ねっとりなのに舌触り滑らかで、口にいれた瞬間ふわっと溶けていきますね。まるで自然のスイートポテトです。コーヒーのお供に最高♪

O:皮つきなのに、皮まで実の一部のように食べられます!実もきれいな黄色で、全体が蜜のようで、商品名の黄蜜(きなみつ)(いも)がぴったりですね。

E:ものすごく甘くてこれが自然の甘さというのに驚きです!罪悪感のない自然のスイーツですね。大好きな焼き芋を1年通していつでも好きなときに食べることができるのもいいですね♪ パッケージにもありましたが、冷たいままいただくのもおいしいです!バニラアイスを合わせて焼き芋アイスにしてみたい・・・!!

ひみつの黄蜜芋冷凍バージョン

↑冷凍バージョン

中国進出を試みるも、日本で人気が出すぎて生産量が追いつかず、輸出はやむなく休止?!

O:ひみつの黄蜜(きなみつ)(いも)、日本全国のみならず中国へも輸出を積極的に進めていて、外国出願補助金を使いながら専門家(田代茂夫弁理士)と一緒に中国の商標出願戦略を検討したそうです。

H:海外での商標出願は難しそうですが、弁理士のアドバイスがあると円滑に進みそうですね。

O:田代弁理士の支援に加えて、海外でのビジネス経験豊富なINPIT海外知的財産プロデューサーの支援を受けて知財や契約上のリスクを整理もしたみたいです。その結果、中国輸出をスムーズに進めることができたのですが…、なんと、日本で売り上げが伸びすぎて、今は輸出をやむなくストップしているそうですよ!

E:おぉ~それだけ人気がでているということなのですね。この美味しさですもん、納得です!大分市ふるさと納税の返礼品にもなっていますよね。

H:極上の焼き芋を日本で独占してしまって、中国の方には申し訳ないくらいです。でも、また生産が増えて輸出するとなったら安心して海外展開できますね。日本では現在第四次焼き芋ブームが起こっていると言われていますが、中国でも焼き芋旋風が巻き起こるかもしれないですね!

E:権利の取得から海外展開まで、ワールドワイドな支援なんですね。大分県知財総合支援窓口の担当の方にも支援について聞いてみたいです!

支援エピソードを担当者に直撃してみました!

今回支援を担当されたのは、大分県知財総合支援窓口の弘蔵周子さんです!(パチパチパチ~←拍手の音)

Q:今回の事例、どんな想いで支援に携われられましたか?

弘蔵:初めてお会いした時から(こう)社長の情熱が伝わる一方で、商品の加工・販売、さらには輸出と初めてのご経験で苦労されていることも多く、良い方向へサポートしたい、と強く感じました。それ以降、知財面でのサポートが重要であることを実感しながら、支援を行ってまいりました。個人的には私の出身高校の大先輩であることで話が盛り上がり、より身近で相談しやすい環境づくりの助けになったと思います。

Q:印象に残ったエピソードがありましたら教えて下さい。

弘蔵:初回支援の際、商品パッケージを印刷する直前で、当初予定していた商品名をお聞きした時に「もしかして?」とは思ったのですが、案の定すでに他人の登録商標であることが確認されました。その商品名は使用できないことが分かり、関係者全員で大きなため息をつきました。その中で、(こう)社長だけが持ち前の前向きさで、「じゃあ、別の名前にしよう」とすぐに切り替えられ、今のネーミングを考え出しました。その時の光景は今でも目に浮かびます。大分の方言では、黄色のことを「きな」「きない」などと呼びます。また、社長のお名前も「黄」。これらと蜜芋を上手く結びつけて、ゴロも良く、結果的には良いネーミングになったと思います。

Q:この記事を見ている方へひと言メッセージをお願いします!

弘蔵:売れる商品には良い知財が詰まっています!
今回のケースは、たまたま販売の一歩手前で他人の登録商標に気づくことができましたが、本当はもう少し前の開発段階でしっかりと知財を検討し、余裕をもって商品販売に移行するのが理想です。まだ内容が固まっていないけど‥といった初期段階からぜひ、知財総合支援窓口にご相談ください。

知財解剖図

ココに知財!商標登録第5864050号 黄蜜芋/きなみついも。コレも知財!?パッケージデザインのアイデアも知的財産!

「美味しい焼き芋を日本や中国の皆さまにお届けしたい」という社長の想いと大分の恵みがたっぷりつまった“ひみつの黄蜜(きなみつ)(いも)”。
皆さまもこの口福、是非味わってみて下さい!

(了)

【PDF版】【第1回:ひみつの黄蜜芋】地域のイイもの発見し隊!

大分合同新聞GXビジネス(11月26日付朝刊)に掲載されました!

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