当社は平成 14 年に電子セラミックを応用した製品の設計から生産・販売する会社としてスタート致しました。
以来、温風用PTCヒータ(キッチン・洗面台の足元暖房、室内暖房、浴室乾燥・暖房)、衣類乾燥用ヒータ、食器洗い乾燥機用ヒータ、洗濯乾燥機用ヒータ、ハンドドライヤー用ヒータ、自動車用補助暖房ヒータ、電気自動車用メイン暖房ヒータ等のPTCサーミスタなどの応用製品を取り扱い、快適空間創造産業の発展向上に貢献できる会社を目指しております。
*PCTサーミスタ( Positive Temperature Coefficient Thermistor )
当社ではPTCサーミスタの材料、素地から設計、製造一貫生産し自動車分野、家電分野、アメニティ分野等に幅広く販売をしております。生産拠点は日本と海外の 2 拠点体制でリスク回避を図っています。 高信頼性の製品を提供する為に、耐環境性を強化したPTC素子の製造法は、H25年度に2件の特許を出願しております。
これらは創業以来培ってきた製品知識と評価技術ノウハウから生まれました。今後も「信頼を得る品質の提供」をスローガンに、お客様の様々なご要求にお応え出来る、製品の供給を行ってまいります。
当社の一押し商品は、新製品 PH-112N100-O120 です。
この商品は温風ヒータ用として開発した高効率絶縁タイプPTCヒータです。 従来の同タイプの製品に比べ約30%熱伝達効率をUP(当社比)して、省電力化を図っています。
用途として主に浴室乾燥・暖房用ヒータとして使用されていますが、他の温風発熱用ヒータとしてのアプリケーションに応用可能な商品です。
同社の設計技術課鎌田課長より、社内知財勉強会の資料提供について、メールにて相談して頂いたのが契機となり、特許の基礎知識や調べ方等について設計技術課内のエンジニア等4名を対象とする出前特許セミナーを行いました。
その後、社内開発した耐環境性を強化したPTC素子の製造技術が他社の特許技術を侵害しているかどうかの相談があり、弁理士派遣相談を行いました。弁理士相談の結果、侵害する可能性は低く、開発技術には特許性があるとの助言を頂きました。この助言を踏まえ、同社は初めてその製造技術について2件の特許申請を行いました。
前回とは用途が異なる商品での開発テーマが他社特許技術の権利内に入るか?との相談があり、再び弁理士派遣相談を行いました。弁理士見解は、一見すると権利外ではないようだが、グレーな領域内とも考えられ、裁判で争うと負けるリスクがあるとのこと。この助言を踏まえ、同社はこの開発テーマを不採択にしました。
社内で通常行っている顧客要望に対する技術開発がこれまで特許の対象ではないと思い込んでいたが、窓口を活用することを通して特許申請できることが分かり、知財への社内感度が向上したとのことです。
知財専門家である弁理士相談が無料で受けられるので、開発技術の知財化や他社特許の侵害回避に悩むことの多い開発型中小企業にとって、知財総合支援窓口はとても役立つ支援機関と思います。
同社は、安価な中国製PTCヒータがシェアを伸長する状況にあって、日本製の特長である高信頼性の品質で勝負している数少ない国内PTCヒータメーカーです。
製品を分解すれば特許侵害か否か容易に判定できそうなので、構造関連の開発技術については更に特許申請し、製品の優位性をアピールして頂きたいと思っています
(田嶋 正夫)
高効率絶縁タイプPTCヒータ(432.4 KB)
掲載年月日:2014年9月 5日
更新年月日:2022年1月14日