当社は、「インフラ等の管工事に伴う、特殊機械・治具の設計製造販売」「インフラ点検用ロボット・装置の設計製造販売及び検査サービスの提供」「研究開発・試作等の依頼に伴う、複合的要素の機械加工・溶接加工」を主業務とし、提案型の機械製造・加工メーカーとして営業しております。経営理念として「顧客の利益が自社の利益。すなわち公共利益」と掲げております。「仕事とは、その人の生き方そのものである」「大いなる喜びは、大いなる社会貢献の中にある」利他の精神を深く重んじ、生業である「ものづくり」に際限なき挑戦を重ね、不可能を可能する・・そんな企業であり続けたいと考えております。
「現場作業の更なる改善の為に、何かをしたい・・」「簡単に治具や工具を作ってみたいが・・」「こんな構造物の検査が簡単に出来れば・・」等々。そんなお客様の思いを〔簡易・適価・短期〕で形に出来る、またはサービスを提供できる会社と自負しております。過日、土木工事現場での緊急安全対策の一環として掘削溝専用架設歩行横断プレート「わたるくん」を、顧客依頼のもとごく短期間で試作開発し、その後に量産販売させて頂きました。現場での緊急性が問われる中での、開発納期の短縮・開発コストの削減を視野に入れた提案が、実を結んだ一つの形かと思います。
-自走式管外面検査用走行台車-は、管の外面等の現在時間をかけて人手による直接目視で行われている検査を効率的に行うことができる「インフラ点検用ロボット」です。平成25年12月に開発をスタートし、試行運転を行いながら試作開発を繰り返し本年8月に特許出願を行うに至りました。また、この装置には駆動部分に独自性があり、90°曲がり及び段差を簡易に走行させる事も可能です。パイプラインや水道管、高所となる橋梁などで、確実性の高い検査が出来る一押し商品です。
同社は、かながわ信用金庫渉外担当者様からの紹介案件で都市ガスの幹線配管を試験的に検査しているとのことでした。当初パイプライン検査を請負事業としてお考えになっておりましたが、他社に模倣されたくないとの事でもあったため、事業を進める上で、知財で保護する方法及び保護しなかった場合のリスクについてアドバイスさせていただきました。
当初、同社は顧客が大手ガス事業者であることで事業展開を中心に考えられていましたが、試作品には独創的な技術が駆使されており、事業開始前に権利化を進めておくことで模倣防止だけではなく、競合他社との競争力も増すことや顧客の信用を得やすくなることをご説明し、事業の進展に合わせて逐次知財保護を行い、事業全体を知財の側面から保護することの重要性をアドバイスさせていただきました。
インフラ点検用ロボットの権利化に際し、本発明はパイプライン以外にも橋梁などの公共インフラの検査装置に転用することが十分可能であるため、同社の主力製品の一つとなり得ることや業容拡大可能性を念頭に置いて頂き、特許出願、商標出願を完了いたしました。また、本件をきっかけに他の製品についても商標出願を実施いたしました。
なお、今後制御機構の開発、最適設計を実施すれば、本年7月新聞発表されたNEDOが開発中の公共インフラ検査用ロボットの基礎技術として十分に対応可能と考えています。
同社は事業推進に際して、知財活用が業容形態を守り今後の事業展開を優位に進めるための重要な因子の一つであることをご理解いただきました。
当社は、今回はじめて知財窓口支援担当者からの助言により、商標出願及び特許出願をしました。これまでも「ものづくり企業」として様々なものを開発し販売してまいりましたが、知財に関する部分は遠い存在と考えておりました。特許出願により知的財産を活用することの重要性が理解でき、事業展開に知的財産が貢献できるため利用をすることをお勧めします。
本件は、かながわ信用金庫経営サポート部様との連携支援案件で、特許出願後にものづくり助成金申請がされています。人材や資金面で潤沢ではない中小企業ならではの発想で生まれた技術で、この独自技術を生かした公共インフラ検査技術が窓口の利用により確立されるものと思います。 (太田 浩)
神奈川県発インフラ点検用ロボット(822.4 KB)
掲載年月日:2015年1月16日
更新年月日:2022年8月15日