当社はキノコ栽培の機械設備製造・プラント設計・販売に関する業務の経験を経て、1984年に長野県須坂市の自然豊かな山里の農場においてキノコ栽培を開始しました。現在はキノコ村事業部として事業を行っています。
当社では、山に生える「野生種えのき」の栽培化や、「野生種えのき」と「白えのき」の交配によって生まれた種菌の育成を通して、「味わいと安心」にこだわり、個性豊かなキノコの栽培に取り組んできました。最近では、常温保存ができる「乾燥キノコ」の商品化などの商品開発にも力を注いでいます。
・専任の種菌担当者が培地作りから育成・選抜までを社内で行い、活力のある最適な状態の種菌(元気の良い種菌)をもとにして、キノコを育てています。
・コーンコブ(とうもろこしの芯の粉砕物)を使用せず、おがくずを主体として非遺伝子組み換えの作物で作られた資材の培地で、味わいと安心にこだわり、キノコを育てています。
・山里の新鮮な空気と水で成長した、個性ある希少なキノコです。
☆キノコの加工品☆
キノコ村で育てた新鮮採りたてのキノコを、おいしく、お手軽に、ご賞味いただける加工品の一部を紹介します。
【乾燥 甘シャキ味えのき】
野生の原種えのきに近いキノコのおいしさをギュッと凝縮!しじみの約60倍のオルニチンを含んでいます。
【乾燥 たもぎ茸】
免疫力を高める働きがあるといわれるベーターグルカンが豊富!おいしいだしがたっぷり出ます。
【乾燥 ひら茸】
くせのない味わいで、さまざまな料理に合います。
【乾燥 野生種えのき】
山に生える野生種えのきを栽培化しました。ワイルドなえのき本来のおいしさが詰まっています。
【乾燥 柳まつたけ】
乾燥することで、風味と旨味が増すきのこです。粉末にして、精進料理のだしなどにも使われています。
【炊き込みごはんの素】
上記の乾燥キノコ5種類が入っています。ご飯と一緒に炊くだけ、簡単調理!
同社は長野県新製品開発推進支援事業の助成を得て、商品のパッケージデザインを一新しました。これをきっかけに、新ブランドを確立させるため新規商標の取得を検討するに至り、支援指導員から知財総合支援窓口を紹介されました。
①商標登録出願方法を知りたい。 ②造語の商標が登録される可能性はいかがか。
また、商標登録も重要であるが、少なくとも他者の権利を侵害してしまうことだけは避けたいというご相談でした。窓口では、特許電子図書館の利用方法と、造語の商標は他社名が含まれ該社名は商標登録済であることから要検討と説明しました。また、使用中の登録商標「甘シャキトラさん」から「甘シャキ」のみを登録することで、全ての商品ブランドとして使用できるのではないかということを提案し、現在は関連会社から許諾を得て使用する前記商標から、自社商標の新規取得が望ましいのではないかと提案いたしました。
前記助言の裏付けとして、商標審査基準を熟知している弁理士に派遣支援を依頼しその助言を得て、それぞれについての登録確率が高く、かつ他者登録商標に非類似となる商標案を新たに創作しました。しかし、造語の商標にはまだ他社名が含まれることからこれを白紙とし、継続検討することになっています。
なお、自社商標「甘シャキ」のみを出願し、本稿起稿中に登録査定書を受領しました。
同社は、今回のパッケージ刷新を機会に、商品の特徴を再認識され機能性食品の要素を持つ可能性から地元紙で複数回記事として取り上げられたことにより、公的支援による効果を実感し、知的財産権の重要性も認識され、今後は商品開発に注力すると共に、商標以外の権利取得にも意欲を燃やしています。
今回、乾燥キノコセットを商品化して販売する前段階で、知財総合支援窓口にご相談させていただき、売る商品が準備されていて、発売時期が決まっているので、問題なく事業展開するうえでも、出願する価値があると後押しされて、自社で書類作成できるまで懇切丁寧にご指導いただきました。また登録性の判断については、弁理士の先生にご対応いただきました。今後も企業経営の中で知財について、気軽にご指導を仰ぎたいと考えています。
同社は、全国一位の生産量を誇るエノキ茸人口栽培生産地域の中にあり、天然に近い品質のキノコの工場栽培と、保存性の高い乾燥キノコの商品化に成功されました。今後は、料理レシピを添えた商品の販売で、「甘シャキ」が全国に届くことに大きな期待をよせ、更なる商品開発と確固たる権利の取得を望みます。 (池田 武美)
新商品・乾燥キノコの商標権取得支援(715.2 KB)
掲載年月日:2015年1月26日
更新年月日:2019年8月26日