当社は、1968年、滋賀県湖北地方に建設業・金属加工業として湖北製作所を創業し、1987年に株式会社湖北製作所に改組しました。1992年にはリフォーム研究開発チームを発足させました。建設部門では住宅の水回りを中心とする関連設備の設計施工業を手掛け、住宅メーカーや地元有力工務店の給排水衛生設備工事の指定店として滋賀県東北部のエリアを担っています。また、製造部門では大手企業の主要取引先として船舶・小型エンジンなどの金属加工業を展開しています。
当社は、住宅の水回りのスペシャリストです。日々進化する住宅設備を活かしてお客様に最適なご提案をしています。
また、住宅のバリアフリー工事も当社の強みです。高齢者にやさしい介護リフォームやキッチン・バスリフォーム、防犯リフォームなど当社のリフォームはカタチを変えるだけでなく、暮らしも変えるリフォームです。
その他、工場や上下水処理場などのプラント設備や消火栓設備・井戸さく泉からポンプ施設を含めた消雪装置の設計施工・保守点検、住宅用エアコン工事から大型店舗等の空調設備工事にも対応しています。
当社の一押し商品は、介護用簡易リフォームシステムです。これは、介護が必要になった時に、介護する人もされる人も利用しやすい浴室やトイレを簡単に施工できる当社オリジナル工法(特許第6587428号)です。場所や大小を問わない自由設計が可能で、介護期間が終われば元通りの部屋に戻すこともできるのが大きな特長です。
和室の一角にも完全防水処理施工でき、畳を外して浴槽などを設置できます。広い介助スペースの確保、出入りしやすい階段式浴槽、浴室トイレ一体型で介護が楽に、床全体が汚物洗い流し施設だから清潔などが施工ポイントです。
同社の社長が、自身の経験から、介護する家族の大変さや設備面の不便さを実感される中で、それまで温めていた介護リフォーム工法を実現するべく、まずは自宅に施工されました。その後、商工会の支援のもと、商品化に向けた動きを急速に進められ、特許出願を検討されたことが、知財総合支援窓口を利用されるきっかけです。
同社の社長が温めていた和室のユニットバスに関するアイデアについて、特許出願への相談がありました。アイデアの構成要件を整理し、詳細検索が必要なことを説明しました。
社長からは、「介護リフォームシステム」の販売開始に間に合うように是非出願したいとのことで、時間的な制約からも専門家派遣(弁理士)を薦め、支援を約束しました。
支援を依頼した弁理士を通じて当初の出願を済ませたところ、2か月後に先の発明の改良発明に関する出願相談があり、請求項、実施例を追加して包括的な出願とすることができる国内優先権主張出願を薦めました。同社の社長には必要な図面を用意してもらい、国内優先権出願を同じ弁理士につないで支援を行いました。
同社は、初めての特許出願をうまく販売促進に結びつけられ、技術力の高さや商品のオリジナリティーや新しさ、便利さをユーザーにアピールすることができ、大きな宣伝効果を実感されています。また、競合他社の参入に対して大きな抑止力になり、競争力の確保に役立つ効果があることを理解されました。
中小企業にとって知財はよく分からない点が多いのですが、知財総合支援窓口では初歩から易しく説明指導してくれますので遠慮なく相談してみればと思います。
同社の事業である介護リフォームシステムの特許出願にあたり、国内優先権出願までの一連の支援ができました。今後も、企業に合った経営に直結した知財活動への支援を継続していきたいと考えています。 (木村 誠治)
介護用簡易リフォームシステムの特許出願支援(407.7 KB)
掲載年月日:2015年8月 3日
更新年月日:2022年8月 8日