当社はオリジナル商品の企画・製造及び販売、開発商品の小売/販売、各種商品・サービスのブランディングコンサルティングのほか、、オリジナル開発商品として野菜農家と連携し「おやさいクレヨンvegitabo」という新しいプロダクトデザインを確立し、「デザインの力で大好きな青森を活性させたい」との思いを実現するため「おやさい」にこだわった商品づくりやイベント企画を行っております。
デザイナーである私が「野菜の色で絵を描きたい」「優しい色のクレヨンが欲しい」との思いから開発をスタートさせ、規格外で廃棄処分になるキャベツの外側の葉や栗の皮など県産野菜や果実の残渣を有効活用して、環境にも優しい商品づくりが実現可能となりました。「子どもに与えるものは、より安全に」との消費者のニーズに応え,安全性の基準検査は世界で一番厳しい検査と言われる欧州規格の玩具の安全試験をクリアし安全証明書も取得しています。
mizuiro株式会社の「おやさいクレヨン」(登録商標)は収穫の際に捨てられてしまう外葉や規格外の野菜・果物を原料にしたクレヨンで、きゃべつ、ねぎ、ごぼう、ながいも、とうもろこし、にんじん、りんご、カシス、むらさきいも、たけすみの優しい色合いの10色です。
「おこめのクレヨン」(登録商標第6308554)は安全性の高い顔料を使用した発色も鮮やかなクレヨンで、おやさいクレヨンでは表現できない「赤」や「青」を含む色彩豊富な16色です。
同社社長は野菜や果実を使用したクレヨンのアイデアはあるものの、試験や製造のための設備がなく資金も不足しているため、利用可能な助成金を申請して、アイデアを特許出願してから外部に製造委託したり、商品名を商標登録したいとの思いから、知財総合支援窓口に相談するようになりました。
同社社長はクレヨンのアイデアについて、ホームページや新聞・雑誌等の取材を受け、情報の一部を開示していたため、新規性喪失の例外規定による特許出願を行うことになりました。PRと並行して知財制度や知識の習得が行えるよう支援を行いました。
同社社長には、ブランディングとその効果的な活用のため「おやさいクレヨン」に続く「おやさい」シリーズの商標権取得は必須であると理解いただき、新規開発商品の製法に関する情報管理やメディアへの取材対応の際の留意点、さらに知財経営全般について弁理士や中小企業診断士との連携支援を行いました。
同社社長は窓口を利用するようになって、知財制度を理解して慎重にメディアに対応するようになり、開示する情報と秘匿する情報の区別を明確にして情報管理に取り組むようになりました。また海外の企業からのオファーに対しては、知財の保護を最優先に位置づけて、窓口に相談してから対応するようになりました。
経営の中での知財の位置づけを明確にして、知財経営を意識することで、ブランド保護のための方向性が定まり、意識が高まることで会社の商品づくり、商品開発に反映されていきます。
知財を意識することが習慣化し、アイデアに関する情報がいかに重要か理解いただけるようになり、相談者から期待感を持って窓口を利用いただけるようになったことで支援する側とされる側の信頼関係が構築できたと思います。 (今野 峰子)
県産野菜や果実の残渣を有効活用したクレヨン・粘土の開発(3.4 MB)
掲載年月日:2015年11月 4日
更新年月日:2023年2月15日