窓口支援事例
株式会社DGTAKANO
特許海外展開契約・法務

世界を節水する節水ノズルの事業戦略と知財戦略

企業情報

所在地
大阪府東大阪市若江東町4-6-26
ホームページ URL
http://www.dgtakano.co.jp
設立年
2010年
業 種
製造業
従業員数
16人
資本金
1,000万円

企業概要

当社は、省エネ型の水洗関連商品の開発・製造を行っています。50年余り続く業務用小型ガスコック製造工場の3代目として育った代表は、IT企業を経て、技術を継承する形でものづくり系ベンチャーとして独立し、節水市場に参入しました。脈動式節水洗浄ノズル「Bubble90」を開発し、2009年にはベンチャー企業として初めて「"超"モノづくり部品大賞」で大賞を受賞。以来、テレビ等で度々紹介されています。2010年に会社を設立、本格的に開発・製造・販売に乗り出しました。飲食業をはじめ「Bubble90」の国内販売が急拡大しています。海外企業からも注目を集め、2015年7月には“働きたいベンチャー企業ランキング第1位”に選ばれました。

自社の強み

当社は、東大阪の中でも最先端のNC旋盤複合加工機とCAD/CAMシステム、そして熟練の職人技術を駆使した1/1000mm単位での超切削加工技術を持ちます。初めて開発した節水洗浄ノズル「Bubble90」が現在の当社の柱になっていますが、今後も技術力と独自性に優れた製品の開発に取り組んでいきます。
「Bubble90」は国内で6件の特許出願をして、それを基礎にPCT国際出願をして各国で権利化しております(特許第5762420号等)。また本年、世界で初めて、電力を使用することなく脈動流を発生させる節水ノズル特許を出願しています。

一押し商品

脈動式節水洗浄ノズル「Bubble90」は、洗浄力を落とさずに水の使用量を約90%削減できます。脈動流とは水の玉を連続して出すことにより、高い洗浄力を発揮する洗浄方式ですが、従来は電気エネルギーを必要とする脈動ポンプでしか起こせませんでした。当社は世界で初めて、電力を使わずに水道水圧のエネルギーだけで脈動流を起こすことに成功し、この技術をノズルに組み込んで商品化しました。ワンタッチで取り付けでき、メンテナンス不要。お湯の蛇口に付けたら水道だけでなくガス使用量も節約できます。軟水や硬水、水圧の高低など使用環境を問わずに節水効果を発揮し、世界の水不足問題の解決に貢献できるとして、海外からも注目を集めています。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

同社は「世界を節水する」という壮大な夢をもち、製造業の町である東大阪から世界に事業を展開しようとされています。同社を訪問した際に、日本の地球温暖化の「チームマイナス6%」プロジェクトのような世界ブランド戦略と、海外事業展開について支援してほしいとの依頼がありました。

最初の相談概要

ブランド専門家を派遣し、海外の節水文化に合致する手法で海外企業等と手を組んでブランディングする手法、ブランドポートフォリオ、ブランドプロミス、ブランドの戦略作りや問題解決の手段について支援しました。また、海外知的財産プロデューサーを派遣して、海外の工場で製造を行う場合の知財リスク管理、秘密情報管理などについて支援しました。

その後の相談概要

事業戦略、知財戦略、契約管理等の専門家(弁護士)を集中的に派遣し、以下の支援を行いました。①事業を進める上での課題の整理、②会社と関連会社間の取引体系と契約、③財務・人事などの組織体制の構築、④国際知財出願戦略と知的財産権ポートフォリオとライセンス契約、⑤海外で製造するときの技術流出防止対策、⑥各専門家間の協働体制。

窓口を活用して変わったところ

同社は、“東大阪発ものづくりベンチャー”として急成長を遂げていますが、日々の製造・販売に追われて、事業戦略、契約管理、組織体制などが十分でなかったとも思われます。今回の支援により、関係会社との知的財産権などの契約管理体制、組織体制、社外専門家(弁護士、弁理士、公認会計士等)との連携を強化され、国内事業の拡大と、海外展開に取り組まれます。


企業からのメッセージ

知財総合支援窓口は、知的財産に限らず、ものづくりにおける事業戦略やブランド戦略、経営戦略など、その企業の持つ要望や課題に応じた専門家を紹介し、アドバイスがいただけます。ものづくりに関わる企業の方は、ぜひ積極的に活用されると良いと思います。当社も、いただいたアドバイスをもとに、さらなる事業拡大に向けて突き進んでまいります。

窓口担当者から一言

東大阪生まれの「ものづくり系ベンチャー企業」です。設立当初から、知的財産の重要性を強く感じられ、PCT国際出願をされ、世界で特許を取得されています。若い力が結集したベンチャーによる「この世にない、まったく新しいモノづくり」(MADE IN JAPAN)が、世界に展開できるように支援を続けていきたいと思います。 (大野 健造)

世界を節水する節水ノズルの事業戦略と知財戦略(364.4 KB)

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掲載年月日:2016年2月29日

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