当社は、2015年に設立した化粧ポーチの製造・販売会社です。
お陰様で、製品を評価いただけ、徐々にではありますが、お取引先も拡大。
今後、さらに業容を拡大するべく、取り組んでおります。
当社の製品は、「便利でありデザイン性がいいこと」にこだわって商品化しています。
試作は自社で行いますので、ユーザーの声に耳を傾け、市場の要望に即応できることが、当社の強みです。
また、製品化にあたっては量産性の確保が最大の難関でした。
しかし、技術力のある国内の縫製工場に出会えたことで、この問題を何とかクリアできました。
信頼のおけるパートナーを見出せたことも、当社の強みと考えています。
当社一押し商品は、「化粧品をスッと取り出せて、スッとしまえる」化粧ポーチ「sussu(スッス)」(商標登録第5896989号)です。開口部が開いた状態をキープでき、また縦収納なので出し入れが簡単なこと、しかも自立するので、ちょっとした台にも置けることに加え、何がどこにあるのかが、一目でわかるのが特徴です。
特に、この縦収納とどこに何があるのかが一目でわかる収納を実現したのが「青海波ポケット」です(商標登録第5968541号)。これはsussuの中を、上から見たときに波が連なるように見える収納ポケットのことで、日本古来からの波の柄である「青海波」にちなんで名付けました。
平成25年4月に、ご自身の考案されたアイデアの産業財産権保護についてご相談いただいたのが知財総合支援窓口を活用いただいたきっかけでした。
当初相談者は、企業にお勤めでした。しかし、アイデアで人の役に立ちたいと思い、「出来れば自分のアイデアを商品化し、起業したい。」という夢をお持ちでした。
そこで、起業を目指すことを前提に支援を開始。
専門家の支援も受けながら、最初のアイデアは、指導のもと特許出願されました。
最初のアイデアを特許出願したものの、実際に事業化を検討してみると、問題が多岐に亘ることが把握され、この特許出願での事業化は断念されました。
しかし、相談者は夢を諦めず、その後も、いくつかのアイデアを考案。平成25年12月に、青海波ポケットの元となる特許出願に至りました。
しかし、ここから実際の事業化に向けては、大変に苦労され、専門家の支援と共に、よろず支援拠点にもご支援いただき、ようやく平成27年4月に、個人事業としてビジネスをスタートしました。
平成27年10月に会社設立となりました。その間、商標1件、意匠3件も出願されました。
起業を目指すにあたっては、産業財産権の取得だけでなく、様々な課題をクリアしなければならないこと、特にマーケティング的な取り組みの重要性をご認識いただけたものと思います。
また特許だけでなく、意匠、商標も出願いただき、多面的に産業財産権を活用いただけるようになりました。
産業財産権のことを何も知らない私に、一から寄り添うように、相談に応じていただけました。
まずは相談することが大切と改めて思います。とても心強い窓口支援が待っています。
初めてご相談いただいたときから、既に5年になります。相談者が夢を諦めず、地道に取り組まれたことが、起業にも繋がりました。時間はかかりましたが、支援させていただいた成果が実を結び、本当に嬉しく思います。今後、さらに事業が拡大されることを祈念しております。 (中村 宏之)
産業財産権を活用した起業支援(396.7 KB)
掲載年月日:2016年6月14日
更新年月日:2024年2月19日