窓口支援事例
株式会社齋藤鉄工所
商標営業秘密・ノウハウ

レーザー加工による恐竜模型の商標登録支援

企業情報

所在地
徳島県徳島市東沖洲
ホームページ URL
http://www.susmo.jp/saitoh/
設立年
1947年
業 種
製造業
従業員数
35人
資本金
1,000万円

企業概要

当社は、金属を切ったり、穴を貫いたり、曲げたり、溶接などをする板金加工が主な業務内容です。
徳島市の海岸沿いのマリンピア沖洲工業団地に平成7年に移転しました。
そこで、国産のレーザー加工機を設置し、先代社長と現社長の家族と工場長ほかの6名で工場を
稼働していました。
平成14年に四国で初めてとなるドイツ製のレーザー加工機を導入し、従来より正確で精密な加工が実現でき、更にスピーディに加工できる特徴を活かし、少量・多品種・短納期を謳い文句とした精密板金加工を行っています。

自社の強み

昨年9月に最新型の省エネタイプの3Dレーザー加工機(右写真)を導入し、合計3台のレーザー加工機をフル稼働させている状況が続き、平成27年度は過去最高の収益を得ています。
客先は、工業団地内の企業や県内企業、関西地区の企業を合わせて200社以上にのぼり、
特定の企業に偏ってはいません。
また、営業マンは置かずに客先からの受注による生産販売体制を取っていることと、客先が商品を
引き取りに来る仕組みを基本としているため、配送料を商品代金より値引きしています。

一押し商品

最新レーザー加工機を使ったステンレスアート作品を作成しインターネットを中心に販売しています。
造形作家とコラボした「恐竜シリーズ」(右上写真)は、部品を組立てることで、プレシオザウルス、
ティラノザウルス、トリケラトブスなどの恐竜の置物を作り上げることができます。
また、絵本作家の作品を使った「ひらがな動物園」、動物の形とひらがなをもじったキーホルダーも
販売しています。
干支をあしらった「ETOKEI」(右下写真)は、商標登録(第4860560号)されています。
恐竜シリーズの置物の商品名として「ジュラ紀の世界」第5871114号、「ジュラ紀の恐竜」第5871115号が商標登録されています。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

知財ニーズの発掘作業(知的財産意識への気づき)を行うため知財アドバイザーが、同社を訪問し、知財総合支援窓口の周知活動を行いました。
同社社長より、2つの商標の存続期間更新登録を行いたいとの情報を得ました。
この情報に対する支援を行うため、支援窓口担当者が同社を訪問しました。

最初の相談概要

同社の登録商標を調査しましたところ、1件は期限が切れ、1件は更新時期でした。
商標の権利は維持したいとの同社の意向があり、1件は更新登録を行い、もう1つは再度商標を出願することとなりました。J-PlatPatによる他社登録商標を同社が調査した結果、同名の商標が登録されていたため、指定商品を限定するなどを弁理士に相談して再出願を行いました。
その後、再出願した商標に拒絶理由通知が届き、同社は、弁理士と代理人契約を結び、手続補正書、意見書を提出しましたが、拒絶理由を解消するまでに至っていません。

その後の相談概要

その後、同社社長は、商品のネーミングにこだわり商標案の候補をいくつか挙げて、派遣した弁理士相談で登録の可能性についての意見を聞き、
商標出願を行っています。
商標出願以外で同社に支援できる項目を探るため、同社の経営課題をヒヤリングしましたところ、情報管理の社内規程を設けていないことから
レーザー加工機を使った加工商品のソフト開発データの流出が気になるとのことでした。
この対策として、不正競争防止法の営業秘密(ノウハウ)規程を設け、商品データ等の流出を防ぐ仕組み作りが大切であることを説明し、
専門家を派遣する等の支援を行うこととしました。

窓口を活用して変わったところ

知財アドバイザーが同社社長に訪問のアポイントを取ろうとしましたが忙しいとの理由で中々会うことができませんでした。
同社社長は、知財は関係ないと考えていたようです。
知財アドバイザーが訪問し、支援できる内容を説明したところ、いろいろと相談いただくようになりました。
何回か訪問する内に会社の内容についても話をしてくれるようになり、同社の課題についての支援を進めることができました。


企業からのメッセージ

当社は、新鋭設備を導入して、小回りのきく中小企業として客先に喜ばれることを目標としています。
新鋭設備は、マニュアルに従えば操作できるため、発明等の知財に関しては無関係と考えていましたが、知財アドバイザーの訪問を機に、
商標の活用や営業秘密など知財経営について考えさせられました。

窓口担当者から一言

工場内を同社社長に案内頂いたときに、頑丈な鉄骨によって組まれた屋上に連れて行かれました。
工場が海から近いため、南海トラフ大地震による津波が襲ってきても従業員全員がすぐに避難することができる場所を
確保しているとのことでした。
従業員を思う気持ちの表れと感慨深い気持ちになりました。 (井上 修)

レーザー加工による恐竜模型の商標登録支援(436.0 KB)

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掲載年月日:2016年6月15日

更新年月日:2021年8月11日

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