大気汚染や森林破壊環境による地球環境の悪化が深刻な問題とされる21世紀。環境の改善は人類すべての
多々なる願いです。
これに応えるべく 研電社では主に、環境機器の設計、製作、販売を行っています。
中でも、固液分離装置(スリットセーバー)、汚濁水浄化処理システム(クリーンセーバー)等をメインとして
製作しています。
昭和33年創業以来の経験にもとづき、独創的アイディアと技術で日々「人と地球にやさしい製品」を
創り続けています。
当社では、家畜排水・各種工場排水・食品排水、公共下水道、河川・湖沼の水質浄化など水分を多く含む汚泥、排水から液体と固体物を分離する固液分離装置を製造販売しています。
固液分離装置(特に濃縮装置)に関しては、他社に負けないトップメーカーとして日々開発に取り組んでいます。
楕円板型固液分離装置『スリットセーバー』は国内外でおよそ500台の納入実績があります。
(1)目詰まりしない!逆洗浄不要!、(2)シンプルでコンパクト設計!、
(3)運転が簡単で省エネルギー!、(4)メンテナンスが容易!、などの特徴を有しています。
河川・家畜糞尿の一次処理、湖沼の水質浄化、給食センターの残飯処理などあらゆる用途で
使用されています。
楕円板型固液分離装置『スリットセーバー』が第5回ものづくり日本大賞にて中国経済産業局長賞を
受賞致しました。
タイでの展示会出展や市場視察にて、自社排水処理装置のニーズと、市場拡大も期待できることが認識できタイへの海外進出を決断。
タイ海外進出事業計画をしまね産業振興財団の支援を受けて行っていたことから、同しまね産業振興財団の担当者より、海外展開に際して知財面での支援要請が知財総合支援窓口にありました。
海外展開の問題点確認のため、海外知財プロデューサーの専門家派遣を実施。
海外知財プロヂューサーにより、(1)現地法人とのNDA締結、(2)タイへの合弁会社設立に伴う合弁契約、本社・合弁会社・現地法人との3社製造・販売契約の必要性などの指摘が有り。
現地法人とNDAを交わす一方、海外知財専門家派遣を実施し、弁護士による合弁契約、3社契約等対応実施。
(契約の一部については海外契約書作成支援制度を活用。)
海外知財専門家派遣実施時に、以前中国企業と交わしたライセンス契約が、自社の海外展開の大きな足かせとなることが判明。中国企業の海外展開状況や商品品質などの情報を収集し、契約上の瑕疵事項を洗い出し、中国企業とのライセンス契約を見直し再契約することができました。
これにより、中国企業の事業内容を大幅に制限し、自社の海外展開の足かせを外すことに成功しました。
同社は、日本国内での特許出願はありますが、知財に対する意識も低かったと思います。
今回の海外知財プロデューサーや海外知財専門家派遣により、知財として特許だけでなくノウハウや商標活用、更には海外進出に伴う
ライセンス契約上の問題点など多くを学ぶことができました。
海外展開のリスクは感じつつ、提携先の現地企業も協力的で全く心配していませんでしたが、支援窓口から紹介頂いた専門家から多くの問題点の指摘を受けたことは、海外展開を行う上で大変助かりました。
また、中国企業と交わしたライセンス契約も気になっていましたが、専門家からズバリ指摘されたときは驚きました。
本当に知財支援窓口に相談して良かったと思います。
本件は、支援していたしまね産業振興財団と連携することにより、海外知財PDや海外知財専門家(弁護士)に的確な状況を把握し伝えることができたことから、中国企業との問題を見出し迅速に対応できた点は大きな成果でした。
未だ海外展開途上であり、契約対応・商標取得などの継続支援が必要ですが、今後に期待しています。
(福代 功一)
固液分離装置の海外進出における契約支援(513.0 KB)
掲載年月日:2016年6月14日
更新年月日:2018年8月22日