当社は、県内を代表する総合建設コンサルタント会社のシステム部門が分社化して、設立されました。
当社では、企画提案をはじめ、サーバー・ネットワーク等のインフラ構築、システム開発および保守まで、ワンストップでのIT導入支援が可能です。近年は、認知症者の見守り用アプリケーションの研究開発など、IT技術を用いた社会貢献にも注力しています。
当社では、お客様の要望に対して堅実にかつワンストップで対応できる体制・技術者、およびノウハウ・実績を備えています。加えて、新技術に対する研究開発にも積極的に取り組んでおり、その成果を自社製パッケージ製品の開発やお客様に対する企画提案に活かしています。
当社では、平成20年にはプライバシーマークを取得しており、加えて、平成24年には情報セキュリティマネジメントシステム認証取得もしています。
当社では、主に自治体・官公庁に適した勤怠管理システム「Time Nets」を開発しました。自治体・官公庁特有の複雑な申請形態にも柔軟に対応できる事から他の業務にも柔軟に対応できます。また、勤怠管理システムの各機能は全てWEB化し、休暇申請、管理者承認、各種届出などをWEBにて行います。ICカードを使って出退勤データを作成し、その勤怠データをCSV形式出力で給与システムと連携も可能であり、シフト勤務にも対応できます。
現在までの導入実績は、県内14自治体・4社のみならず県外12自治体に及びます。
支援機関が実施する説明会において知財総合支援窓口のことを知ったという中小企業診断士でもある同社担当者が、これまで開発したシステム関連について、万が一他社に模倣されても排除できるようにするための権利化など、同社が実施する事柄で、知的財産で保護できるものがあるかどうかを知りたいということで、窓口に相談に来られました。
同社の業務内容をヒアリングし、特許、商標を中心にした知的財産制度の詳細について説明しました。加えて、企業における知的財産活動の重要性について説明したところ、同社においても経営課題に見合った効果的な知財活動の導入を検討したいとのことでありました。
そこで、同社における知財経営の定着を図るため、複数回の専門家派遣支援を利用して、①同社が知財活動に取り組む意義の検討、②ソフトウェア特許の基本的な考え方などに関する解説、③開発案件を基にした発明発掘のコツを習得するための演習などを実施しました。
同社では、それらのことを踏まえて、沖縄県委託事業からの支援を受けるとともに大学機関の協力を得て「認知症者の電子見守りシステム(商品名:ケアレア)」の開発・事業化に取り組んでいるとのことでありました。
また、同システム開発で得られた成果について権利化したいとのことであったので、改めて、専門家派遣支援を利用して、同システムの特徴的な機能を洗い出すことで具体的な複数の発明を抽出し、独自に行った先行技術調査で得られた公知技術に対する有効性についてディスカッションを行いました。
同社においては、特許出願を行うことについて、同システムの独自性・差別化のPR要因となり、今後の事業パートナーとの提携のきっかけ、若しくはパートナーとの交渉力を高める材料となるなどの面で明確な意義を見出すことができました。
同社では、権利化に向けて更なる検討を進めるため、「中小企業等特許情報分析活用支援事業」に応募され、採択されました。
知財を企業PRやパートナー獲得のツールとして活用する方法を学べたことはとても有意義でした。また、知財に関するディスカッションなどに、社外の専門家が加わることで経営層の参加を促し易くなり、全社的に知財に関する認識を深めることができました。
自社の強みを伝えることや協力関係をつなぐことは知財活動の効果であり、特許出願する過程においても無形資産を見える化するなどの知財活動の効果も得られるということを理解して戴けたものだと確信しております。引き続き、商標戦略などに関するご支援もさせて戴けたらと考えております。 (髙坂 正登)
被介護者見守りシステムに関する発明の出願検討(321.4 KB)
掲載年月日:2016年12月20日