創業して約半世紀、米穀及び酒類の一般家庭への宅配を主に小売販売を行うお店です。その後平成9年コンビニエンスストアーに業態を変更し、平成25年前代表者逝去に伴い現代表者が事業を承継しました。現代表者は、第二創業として、岡山県の地酒・果実リキュールの海外輸出及び海外販路開拓を開始いたしました。
当店の企業理念は「日本のお酒を世界に、世界のお酒を岡山へ、銘酒を発掘し続ける企業」です。
室町酒造株式会社(所在地:岡山県赤磐市)と共同企画開発し、当社プライベートブランド「大吟醸祝古酒 TOVINTAGE トビンテージ」を発売しました。全国的にも珍しい事例として各メディアで取り上げられております。
酒造り段階より「国際?酒師」並びに「ソムリエ」の資格を持つ店主が自ら蔵元に入り、共同で仕込を行います。
酒造好適米「雄町米」は岡山県が発祥の地で現在全生産の90%が岡山県産です。年々人気が上がっており昨今では品不足気味になることもあるようです。この「雄町米」は岡山県内の酒造社へは優先的に配給されており、雄町米を使用した良質な酒造りを行う岡山県の酒造に有利な状況となっています。「TOVINTAGE」(商標5839932号)は雄町米酒のトップ酒造会社である室町酒造が品評会用に醸成した最高級の古酒のブランドとして使用しています。室町酒造は国内はもちろん海外でのコンクールでも何度も最高賞を受賞している実績があり、同社が1987年よりコンクール出品用としてストックしていたものに、新たにブランディング、デザインを行い全国にも例のないビンテージ(古酒)シリーズとしPB商品として発売するもの
です。
岡山県知財総合支援窓口は、平成27年9月9日に開催された第11回しんきん合同ビジネス交流会(県内の信用金庫が主催する商品展示、商談・相談会)にブースを設けて知的財産権に関する相談に対応しました。社長がブースにお見えになられ、相談に対応させていただきました。
同社は特別な日のために飲んでいただくのにふさわしい古酒を提供したいという企画を実現すべく、酒造会社と共同で開発を進めておられました。古酒の販売にあたり企画にふさわしいロゴマークを検討されており、商標出願についての相談を受けました。商標権の効力・活用、出願までの流れ、出願から権利化までの流れをご説明したうえで、後日訪問して再度対応させていただくこととしました。
訪問により出願内容を決定、商標調査方法等について説明しました。ロゴマークは商品の種類に対応して様々な使用態様を検討されていましたが、登録可能性がある最も使用頻度の高い態様を出願することにしました。さらに出願書類作成について助言し、知財総合支援窓口の共同利用端末による出願および登録料納付を行い、権利を取得することが出来ました。
商標権はネーミングやロゴマークを保護するものであることを理解されていましたが、知財総合支援窓口の助言、支援を受けることで指定商品・役務の意味、商標の効力・活用方法について理解を深めていただきました。
今回、使用するロゴマークについて、出願内容の検討、商標調査、出願から権利化までの手続きをご自身でされたことは、今後の新たな商標出願を行う際に活かされると考えます。
初めてのPB商品の開発にあたり非常に良いデザインを作り、自社の財産としたいと思っていましたが知的財産の保護についての知識が乏しかったため、なかなか実現できませんでした。弁理士への依頼も考えましたが、支援により自社で手続きできることが分かりました。登録査定の連絡がきた際は、本当に自分の商品になったと喜びもひとしおでした。商標登録について迷われている方は、ぜひ一度知財総合支援窓口に相談することをお勧めします。
商品、商標とも社長の思いが詰まっており、忙しいなか初回の支援から1ヶ月以内に電子出願まで行えたのは社長の熱意によるものと考えます。商品は経済情報誌(週刊Vision岡山)、新聞(山陽新聞)でも取り上げられ、売上げを伸ばすべく瓶のデザインも適宜改良されています。取得した商標権の活用による周知向上を期待しております。 (重田 賢一)
古酒のプライベートブランドの商標権取得(407.5 KB)
掲載年月日:2017年1月10日
更新年月日:2022年1月25日