窓口支援事例
有限会社岩﨑目立加工所
特許意匠海外展開

帯鋸用インサートチップ刃取付溝加工機の中国模倣対策に対する知財戦略支援

企業情報

所在地
島根県大田市
ホームページ URL
http://metate.co.jp/
設立年
1990年
業 種
技術サービス業
従業員数
6人
資本金
350万円

企業概要

 当社は島根県大田市郊外の山の中で、帯鋸とチップソーの刃の目立加工やメンテナンス、並びに帯鋸と帯鋸関連商品の販売を行っています。
 帯鋸は、帯状の鋸刃を高速で回転させて切断する電動工具ですが、刃の材質、種類により木材、非鉄金属、鉄、食品、段ボール、その他様々な材料を切断することができ、製材所、金属加工工場、食品加工場などあらゆるところで使用されています。

自社の強み

 冷凍マグロの切断にも帯鋸が使用されています。東京築地市場で使用されている冷凍マグロ加工用の帯鋸に限定すれば、OEM供給による当社商品がシェア95%を誇っています。
 また、主力商品は、島根県産業技術センターとの共同研究により開発したインサートチップ刃を用いた製材用帯鋸です。このインサートチップ刃を着脱自在に装着するチップ刃交換式帯鋸は、オンリーワンの技術です。
 このインサートチップ刃は、自社開発合金の配合を変えることで製材する樹種に最適な刃先を作ることができます。

一押し商品

 当社の一押し商品はインサートチップ刃を着脱自在に装着するチップ刃交換式帯鋸です。インサートチップ刃も社内生産しています。
 一般的な帯鋸は、鋸歯部にチップ刃を溶接固定しているため、チップ刃交換やメンテナンス作業に高度の熟練技術を要していましたが、チップ刃交換式帯鋸とすることにより、その熟練技術も不要、且つメンテナンス作業も大幅に簡素化できます。また切断する対象物に合わせたインサートチップ刃の形状を個別に開発して帯鋸に装着すれば、各対象物に最適な帯鋸が提供可能となるなど優れた特徴を有しています。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 帯鋸へのインサートチップ刃の取付溝加工機を、公益財団法人しまね産業振興財団の助成金を活用して島根県産業技術センターと共同開発したことから、その知財保護について知財総合支援窓口へ相談がありました。

最初の相談概要

 帯鋸へのインサートチップ刃の取付溝加工機は、海外販路開拓のために開発された商品ですが、同取付溝加工機の販売にて、自社チップ刃交換式帯鋸の市場拡大と同時に、自社インサートチップ刃の拡販が期待できることから、知財戦略の専門家相談を実施し、特許や意匠権による保護について検討頂きました。

その後の相談概要

 海外展開として、林業・木材業が盛んな南米や欧州に進出されていましたが、今回中国企業への販売を検討しており、中国での模倣対策が重要視されたため、改めて中国事情に精通した知財戦略の専門家派遣を実施しました。知財戦略の専門家から、オープン/クローズ戦略に基づいた中国での知財戦略ついて助言しました。その結果、最終的に特許及び意匠を出願しました。

窓口を活用して変わったところ

 技術開発も積極的で、以前から特許出願も実施し、特許を販売ツールとして活用するなど知財に対する認識も高い企業ですが、改めてオープン/クローズ戦略について学んで頂いたことは、今後の海外展開に際して大いに参考となったと思います。


企業からのメッセージ

 当社では、以前から知財に関する助言を含め、あらゆる場面で知財総合支援窓口を利用させて頂いています。これまでに、商品開発に関するヒントや協力企業の紹介も受けてきました。この窓口には、いろいろな企業や人と出会うことが出来るチャンスがあります。

窓口担当者から一言

 気さくな社長ですが、勉強熱心で、発想も豊かであり、島根県内では数少ないオンリーワン技術を目指す企業です。また、特許明細書作成にもトライするなど、知財に対する意欲も旺盛で、今後の活躍が楽しみです。 (福代 功一)

帯鋸用インサートチップ刃取付溝加工機の中国模倣対策に対する知財戦略支援(203.2 KB)

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掲載年月日:2017年6月12日

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