当社は1959年に星河商店として創業。1968年に法人化して以降も創業の精神を重んじ、金属リサイクル事業を経営の軸として、資源に新たな付加価値を与えて再利用する「資源製造供給」に力を注いできました。
大量生産・大量消費の時代は終わり、「サーキュラーエコノミー」をはじめとした循環型社会の仕組みの深化が求められている昨今、当社は立地条件に恵まれ、地域基幹産業の発展もあって順調に成長しています。2024年4月には新たに「寺前倉庫」が本格稼働を開始しました。
当社は「資源に無限の夢を」を経営理念に掲げ、経営品質の4本柱(社員重視・顧客本位・社会との調和・独自能力)に基づいた経営や、協力企業とのパートナーシップにより、あらゆる資源の価値を再生・向上させる「純良資源の三ツ星レストラン」を目指しています。資源を可能な限り抽出するため、「非鉄ピックアップライン」に象徴される独自技術の開発も積極的に続けています。
金属類のリサイクルは機械による切断、圧縮、破砕、職人によるガス溶断等様々な加工技術を保有し、納入先の様々なニーズにお応えできる高品質な製品を生み出しています。
放射線検知器の導入や各種分析機器を用いた選別など、万全な品質管理体制を構築するとともに、自動化、機械化を推進して作業負担を減らし、安全性を向上させる取り組みも積極的に行っています。
社員の平均年齢は業界の中では比較的低く、若々しく活気あふれる職場です。「社内木鶏クラブ」という読書会を開催し、仕事を通じて個々の人間力を高める取り組みも行っています。
当社は、シュレッダー(破砕機)の「ローター」と呼ばれる部品に独自の改良を加え(特許・意匠登録を取得済み)、例えばコピー機や自動販売機、ATMなど、金属やプラスチックから構成される「複合物」「難破砕性スクラップ」を強力に破砕し、後工程と併せて高い精度で素材別に分離・分別するプラントを保有しています。
また、破砕時に発生される細かな残渣についても「非鉄ピックアップライン」(愛知環境賞受賞)へ投入することで、リサイクル率を最大限に高めています。
大府商工会議所から「知的財産に関して関心があるが、取得、活用に関してアドバイスして欲しい企業がある」ということで紹介され、大府商工会議所の職員と共に訪問したことがきっかけです。
当時は、企業イメージをアップするために、社名とロゴを変更し、弁理士を通じて商標を取得し、更に新しいアイデアで金属リサイクルプラントを考えているところでした。特許か実用新案を取得したいということでしたため、知財化するに当たって必要な、先行技術調査の必要性と検索方法、更に発明提案書の書き方について指導しました。
また、実証プラントを立ち上げるに当たって、補助金制度を紹介して欲しいという相談もあったので、国・県で募集している各種補助金制度を紹介しました。その結果「愛知県循環社会形成推進事業補助金」に応募することになり、応募書類の書き方についても指導しました。
応募書類を作成指導した「愛知県循環社会形成推進事業補助金」に採択され、その補助金で、実証プラントを立ち上げることができました。2年間に渡って実証試験した結果、以前より非常に効率の良い破砕機が開発でき、その結果、金属粉砕の効率向上に貢献できて利益にも結びつきました。その技術を発展させる目的で、さらに「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」に応募し、開発した技術については知財化することになりました。
当初、社内に於いて、「知的財産」の認識がなかった状況からスタートし、その間、専門家(弁護士)を派遣するなどして、「知的財産」の重要性を指導してきた結果、社内に知的財産を考える部署(チーム)が組織され、発明提案書作成から明細書の下書きができるまでになりました。
改善活動など業務の効率化に取り組まれている企業はたくさんあると思いますが、その成果を「知的財産」と認識されている所は少ないのではないでしょうか。まずは知財相談窓口へ相談してみる事が企業の価値を守り高めることになると思いますし、自分たちのアイデアが正当な評価をされることが従業員の意欲向上にも繋がっていくと思います。
アイデアを知財化したい方、そのアイデアを具体化するに当たって補助金制度を有効利用したい方、また、他から知財の許諾を受けて事業化したい方、さらに取得した権利を他人に許諾したい方は、是非当窓口の扉を叩いてみてください。必ず某かのアドバイスが得られ、道が開けるものと思います。
(浅井 信義)
金属をメインとしたあらゆる資源を生まれ変わらせる「資源製造供給会社」(445.5 KB)
掲載年月日:2017年8月21日
更新年月日:2025年1月10日