当社は、微生物資材の商品開発および販売、自然との関連についてのコンサルタント業務および実施、土木建築に関する調査・測量・設計・製図、日用品雑貨の販売を行なっています。
当社のモットーは、『人に優しく、自然に優しく』です。
お客様に慶ばれ、感謝される商品を提供するべく、お客様のニーズに合った商品開発を目指すとともに、地球温暖化が進む中で「自然」を重視した森林管理やゼロ・エミッションに取り組みます。
当社製品のエコチャンス(商標登録第5103862号)に使用している微生物は、納豆菌の仲間で、自然界の土壌中に存在する安全・無害なバチルス菌です。
エコチャンスは、大手企業が医薬品の研究開発の際に偶然発見したバチルス菌を使い、身の回りの環境を改善することを目的に開発されました。また、周辺環境を改善するだけでなく、農作物の「根の張り」や「糖度を増加」させ、健康で丈夫な野菜づくりに大きな力を発揮する農業用エコチャンスもあります。
エコチャンスを使用することで、地球環境にやさしい生活を過ごすことができ、トイレや風呂場の排水も土壌もきれいになります。
エコチャンスに使用されているバチルス菌は、特に油脂分解力に優れ、かつ安全なものとして選出された土壌由来の微生物であり、悪臭を放つ微生物の発育を抑制します。
この特性を活用し、固形化したバチルス菌を収納する水洗トイレの便器洗浄用容器を開発しました。男性用便器の水吐出口付近に設置し、便器面を伝って流れ落ちる洗浄水を容器内部に取り込み、内部に収納された固形バチルス菌が溶解しながら洗浄液を流出することで、便器内面の汚れを防除します(特許第6004361号)。
同社は、固形微生物を入れる「便器洗浄用容器」の開発試作の段階で福島県ハイテクプラザへ相談しており、本便器洗浄用容器の構造が知的財産権で保護できないか、福島県ハイテクプラザからの紹介を受け知財総合支援窓口に相談に来られました。
同社が開発した「便器洗浄用容器」について、どの部分を何の権利で保護することが適切であるかとの相談に対して、費用面も含めて検討し、微生物を含む水の拡散方法に技術的な特徴を見出し、特許権で保護することを助言しました。
窓口では、特許制度の概要を説明したほか、弁理士による専門家相談、助成金に関する紹介を行い、特許出願及び登録までを支援しました。
便器洗浄用容器の商品化に関する相談を受ける中で、連携先の西郷村商工会による製造会社の選定や原価試算と販売価格の検討なども行い、販促に関する相談支援を継続して行っています。
同社は、特許出願から登録までの支援を通じて、知的財産権による保護方法について理解を深められると共に、事業に知的財産権を活用することの意義や、重要性について認識が得られたことが、商品化を進める中で保有権利を商品設計に活かす取組や考え方に表れるようになりました。また、特許権だけではなく、意匠権や商標権の活用にも意欲的に取り組むようになってきています。
知的財産権については、自分なりに理解をしていたつもりでしたが、権利で保護するために必要な技術的要素が検討不充分であることを気づかされました。ひとりで考えると、自分の考えに拘って限られた範囲に留まってしまいますが、知財総合支援窓口に相談したことで、客観的に構成を検討することができ、効果の検証などにも結びつけることができました。
事業展開の方向性や知的財産権での保護目的など、課題をより具体化することで、様々な助言や支援が得られることができますので、身近な相談窓口として利用することをお勧めいたします。
商品化の目途が立ち、今後は生産及び販売へ向けた取り組みに入ることとなりますが、むしろここからが正念場と捉えております。これから困難な課題に直面することも多いことが予想されますので、担当者としても切磋琢磨して、支援を継続して行きたいと考えています。 (桐生 正人)
便器洗浄用容器の開発と特許権による保護及び商品化支援(252.4 KB)
掲載年月日:2017年8月 7日