当社の取り扱い製品は日立製品をメインに産業・電機機器、社会インフラシステム、省エネ環境対策システム、コージェネ設備、太陽光発電システム、情報・通信機器などをラインアップし、一次産業から製造業、エネルギー、半導体・ハイテク先端分野までバランスのとれた大分県の産業構造を反映したものとなっています。
当社は太陽光発電所の設計施工で約20年の実績を持っていますが、太陽光パネルのメンテナンス現場において、エンジニアが感じた「稼働率を100%にしたい」という思いから生まれた「YANAIソーラーコプター」による短時間・少人数による安心のメンテナンス業務を実現しました。
「YANAIソーラーコプタ―」(商品名)は、小型無人航空機ドローンにサーモカメラを取り付け、太陽光パネルを上空から撮影、不具合箇所を特定し、予防保全に役立てるものです。
前もって設定したルートを自動で飛行するので高度な操作技術は不要。
撮影した画像から解析ソフトを通じて不具合箇所の特定・データ蓄積・解析を行います。(特許出願済み)
広大な面積に展開されるソーラーパネルの不具合箇所を効率よく特定し、素早く手を打ちたいという現場の切実なニーズに応えて開発した商品です。
同社が、開発中の設備診断装置に使用する名称について、商標登録出願に関する相談を受けたことがきっかけとなりました。
開発している設備診断装置を販売するにあたり、この装置に使用する名称を商標登録することになり、その手続について相談がありました。この装置名称の商標出願への相談対応は当然ながら、当該装置が特許として権利化できる可能性が充分見込めたため、専門家(弁理士)を活用し、特許出願の検討を行うことを薦めました。
同社は、設備診断装置の開発と共に、ドローンによるソーラーパネルの検査システムの開発も行っており、この装置についても、特許等による権利化の可能性を検討するようアドバイスしました。
また、同社は太陽光発電の設計・施工に関しては長い実績を持っていますが、開発に関わる技術者が知財に関する知識が充分ではないという相談を受け、専門家(弁理士)を活用した「企業における知財の役割」に関する知財教育を実施しました。
同社は、当初自社製品に使用する名称の商標出願への取り組みは行われていましたが、特許による権利化は予定していない様子でした。装置の開発は行っていましたので、専門家による知財教育を実施した結果、開発していた装置の権利化の見直しを行い、特許2件を出願するに至りました。
慣れない特許の申請に際し、大分県知財総合支援窓口の担当者や弁理士にアドバイスをしていただき、特許の申請を行うことができました。また、当社全体に向けてのセミナーも無料で行っていただき大変感謝しています。今後も会社全体で知的財産取得に向け取り組んでまいります。
当初の相談は商標の出願手続きについてでしたが、開発担当者の方への知財教育を専門家を活用し実施しました。この知財教育を通じ、企業における知財の重要性を理解いただき、今後知財に対する取り組みが活発化することが期待されます。 (北坂 学)
ドローンによる太陽光パネル検査装置の開発(419.3 KB)
掲載年月日:2017年10月10日
更新年月日:2022年8月 4日