当工房の主な事業は、「世界に一つだけのぬいぐるみ」の製作です。子供たちが描いた落書きを「ぬいぐるみ」に再現し、注文者にお返しするオーダーメイドのぬいぐるみ製作サービスをしております。子供たちの自由闊達な想像力を、ぬいぐるみというカタチにすることで、小さいながらも「自分の夢の実現」を子供たちに見せてあげたい、との想いで事業を行っています。
当工房は、「子供が自らの想像力を宝物と思える製品の創出」をコンセプトに事業展開しています。顧客の意図を汲み取り、高品質でアイデアを詰め込んだ製品を自ら製造・販売し「世界にひとつ」を求める方へ、他にはないオリジナルの製品を提供したいと考えています。「子供の想像力」をキーワードに掲げ、新展開も検討中です。こうしたサービスを通じて、「ESORA WORKS」というブランドを築き上げていきたいです。
一押し商品は、当工房のオリジナル製品である、キッズ携帯電話のカバー【Pulllu -ぷるる-】です。子育て中のママさんスタッフの悩みから生まれた本製品の特長は、子供用携帯電話の重要機能である防犯ブザー用のヒモが操作しやすく露出しており、しかもカバーを上に引き上げるだけで手早く電話をかけたり、電話に応答することができる点にあります。さらに、首にかけているストラップには、強い力がかかると外れる機能を持たせておりますので、首が締まる等の危険を回避でき、安全・安心です。
本製品は、シンプル、リバーシブル、ポケット付きの3タイプを用意しており、用途に応じて選べます。
商品紹介URL( http://www.pulllu.com/ )
相談者は、独自開発した「Pulllu -ぷるる-」の商品コンセプトを何とか知財で保護したいとの強い気持ちで、窓口へ来訪されました。
同工房は、オーダーメイドのぬいぐるみの受注製作が主な事業ですが、同工房オリジナルの製品を持ちたいという気持ちと、相談者自身の子供たちに持たせている既存携帯電話カバーの不便さを解消したいというユーザーニーズ、さらに同工房の専門である縫製技術の3つの要素が結実した同製品の保護を強く希望されました。
同工房は、前述のように独自開発した製品の知財保護を考えられていました。窓口で相談を受けたとき、この製品は良く考えられているので、是非保護すべきとのアドバイスをしました。機能で保護するなら、特許・実用新案登録出願となり、デザインで保護するなら、意匠登録出願というアドバイスをしました。
開発した製品のライフサイクル等を含めた知財戦略についてアドバイスを求められ、専門家(弁理士)と協働で支援し、早期権利化を目指すなら意匠登録での保護が最適との考えに至り、意匠登録出願を勧めました。そして、窓口での支援を受けながら独自で出願され、意匠登録を受けることができました(意匠登録 第1539877号、第1539878号)。その後、屋号および製品の商標登録出願についても相談を受け、独自で出願されています。
屋号「ESORA WORKS」の商標登録もされ(商標登録 第5893122号)、?のついたウェブサイトを公開したり、「Pulllu -ぷるる-」の説明に意匠登録製品のメッセージを入れるなど、積極的に知財活用をされています。知財が自社の事業の良い広告塔にもなっているようです。今後、新規事業に取り組まれる際にも、知財の有用性を考慮して事業展開されることと思われます。
知財総合支援窓口へ思い切って飛び込んでいったことにより、自分たちの希望する知財保護の支援を受けることができました。知財総合支援窓口は気軽に知財に関する相談ができ、如何にすれば権利の対象になるか、解りやすくアドバイスしていただき、権利化の切り口を見出す貴重なアドバイスを受けることができました。このように新しい経験ができることから、知財総合支援窓口を活用されることをおすすめします。
同工房の開発した製品が、子供たちの安全・安心に使われる携帯電話のカバーということでご相談を受け、支援の結果、意匠登録での保護に至りました。日常生活でのニーズが意匠登録といった知財になった例と思います。知財総合支援窓口の活用支援事例が全国で使われることを願っています。 (日裏 久英)
商標出願、意匠出願(316.5 KB)
掲載年月日:2017年12月 5日