当社は、創業以来ギフトショップとして、贈るお客様と贈られるお客様の両方に満足と喜びを提供できるよう努めてまいりました。
主要な当社商品である葬儀用供物につきましても、この考えを基にお客様に感動していただける商品造りに取り組んでおります。そのために、ギフト商品は大手メーカーのパッケージ品を販売するものではなく、当社で県内商品を組み込んでセット品とし、地域に密着した商品展開を行っています。
その中でも、タオルで作った造花であるコットンフラワーは葬儀後にフェイスタオルとして使用でき、無駄のない商品とご好評をいただいております。
当社のギフト商品はお客様の要望に合わせて組み合わせが自由であり、結婚引き出物では新郎新婦の出身地域の特産品を組合せるなどの要望にお応えしています。また、葬儀用では故人がお好きであった飲食品を加えることが可能です。
コットンフラワーによる花輪と台座の構造は、特許第5785730号を取得しております。これに使用するタオルは当社専用に染色されたもので、花輪にすると色鮮やかです。さらに台座も専用品であり、花輪と一体となって生花と比べても遜色ない見栄えを持っています。また、花輪のタオルは葬儀後にも利用可能です。
当社では、市内の段ボール業者と協力して、段ボール製の枠を付けた透明フィルム3枚を使って複数の商品を詰め合わせるギフト商品「ラピタ」(特許及び商標登録出願中)を開発しました。品物を表と裏からフィルムで挟み込み、中の仕切りが無いため、インテリアとしても楽しめます。
挟み込み方はいろいろと可能ですが、例えば1枚目のフィルムの下半分に品物を置き、2枚目のフィルムをかぶせた後、上半分にまた別の品物を載せて3枚目のフィルムで覆うと、真ん中のフィルムは上と下の品物のそれぞれの形状に沿って巻き付くように伸びて挟み込むため、品物が移動しにくくなります。
同社社長は、パソコンや薄型テレビの梱包に用いられている中箱不要で緩衝効果のある包装資材をギフト包装に応用することを検討されていました。これに関する種々のアイディアが第三者の特許権などに関係しないかと心配した同社社長は、山形県企業振興公社に相談されました。同公社からの紹介で同社を公社担当者と同行訪問したことが、窓口活用のきっかけです。
窓口では、J-PlatPatを利用した先行技術調査について支援しました。当初のアイディアについて調査したところ関係しそうな先行技術を見出した同社社長は、窓口担当者及び専門家(弁理士)と共に構造などについて相談をしながら、市内の段ボール業者と試作検討を何回も繰り返し、段ボールと透明フィルムの組み合わせに至りました。
その後、専門家(デザイナー)とデザインのブラッシュアップを行っていく中で、フィルム2枚ではガラス製品などの重い梱包品の場合に動いたり破損したりするという課題が見つかり、その解決のために、フィルム構成を3枚以上とすることにしました。この構成を専門家(弁理士)に相談し、自社による特許取得と商標[ラピタ」の商標登録を支援しました。
特許出願まで自社で行ったことで、開発した商品により一層の自信を持つことができたようです。
同社は、山形県で行われる「山形エクセレントデザイン」のコンテストで奨励企業賞を受賞し、今後のブランド戦略の構築の為、ブランド専門家による支援も開始しました。地元紙にも「ラピタ」が掲載されて商品の発信を行うこともでき、ブライダル式場からも引き合いがあり、本格的な販売に向け動き始めました。
最初の段ボールだけのアイディアから、結果的には複数の透明フィルムを利用する構造に行き着きました。その間、窓口担当者や専門家の方に多くのアドバイスを頂戴しました。また、アイディア段階で新聞取材の申し込みがありましたが、窓口からの助言で特許出願完了まで取材を待ってもらいました。
一人で考えていると行き詰まります。窓口に相談することで考えをまとめることができます。迷ったら、先ずは相談してみることです。必ず出口が見えてきます。
試作を何度も繰り返す努力と、もっとデザインを良くしたいとの熱意が感じられ、支援のし甲斐がありました。中空にピタっと包装できる本製品に、ガリバー旅行記の空飛ぶ王国ラピュタから着想を得た「ラピタ」との商標のネーミングセンスには敬服します。
相談することで新たな視点が生まれます。どのようなことでも窓口にご相談ください。
(川﨑 裕)
新たなパッケージの提案(715.6 KB)
掲載年月日:2018年5月 9日
更新年月日:2022年12月15日