当社の創業は戦前にまで遡ります。会社が一番大切にしなければならないものは社員であるという考え方をベースに、お客様に信頼される技術や、お客様からの信頼に応えてきた社員の献身的な努力の結果が、長年愛されるモノづくりに繋がったと考えます。100 年生きた強さを持つ木材を材料として使わせて頂くという謙虚さと、100 年使える温もりを作るという誇りを持って木と向き合い、古から続く職人の業と最先端の技術を駆使して、すべてのお客様のニーズに応え、「自分たちの仕事で『明日の世の中(みらい)』がちょっとだけ良くなる。」そんなモノづくりを目指しています。
当社は、5 軸制御NC ルーターと3D(三次元)CAD・CAM を設備している町工場です。これらの設備は大手企業が自社ブランド製造のために導入することはありますが、当社のような零細企業が設備することは珍しく、全国でも数えるほどです。それは全てお客様のイメージを具現化し、お客様に満足頂けるモノづくりをするためです。まだ発展途上の三次元機械木工においてフロンティアであることを自覚し、「図面があれば何でも作る」をモットーの1 つに、常に限界を超える努力をし続けております。
是非一度、当社ホームページをご覧ください。
携帯情報通信端末機器用木製無電源スピーカー『MUKUNE』一つの木の塊(無垢材)から三次元木材加工の削り出しによって生まれた無電源スピーカーです。「無垢の音」がMUKUNE の由来であり、継ぎ目がないので、音漏れや雑味の無いクリアな音質が増幅されるだけでなく、配線の接続がいらず無線通信でもないので、音切れもありません。スタンドスペースに携帯情報通信端末機器を置くだけで気軽に音楽を楽しむ事が出来ます。食品衛生法適合のクリアオイルで木の持つ天然の色を引き出しています。特にiPhone 全種に対応させています。
※iPhone はApple Inc.の商標です。
同社は、当知財総合支援窓口の担当者による周知活動をきっかけに、支援に至りました。独自開発した、無垢材削り出しのデザイン性に優れた携帯情報端末機器用無電源スピーカースタンドの事業化を考えておられ、知的財産の側面から支援できることがあるかもしれないと感じたため訪問しました。
同社では、収益力向上には下請けだけでなく利益率の高い独自製品での事業化が必要との考えに基づき、自社の強みを活かした製品を造り展示会に出展されるなど動き始めているところでした。そこで、製品特徴、経営・事業の方向性などについて聞き取りを行った後、関連すると思われる知的財産や知的財産の保護・活用の必要性・重要性、専門家や支援機関などとの連携による事業化支援策などについて幾度か説明し、知的財産の側面から支援の必要性を理解していただきました。
意匠出願に際しては、共同創作者と出願人との調整が必要となったことを機に、専門家(弁理士)から助言を頂きつつ、意匠登録を受ける権利の譲渡に関する覚書を締結しました。また、国内外の取引に関しては予備知識習得を含め、専門家(弁護士)、INPIT 海外知財プロデューサー、ジェトロ山形、中山町商工会と連携して支援を行いました。さらに、競合品と十分に差別化できる製品であることから、ネーミングとロゴマークとの組み合わせによる商標登録も済ませ、自社ブランド品としての確立を目指しています。
事業活動の様々な場面で知的財産が関わっていることを知り、自社開発品を意匠権(意匠登録第1599768号)並びに商標権(商標登録第6027241号)で保護できたことで積極的な情報発信や営業活動ができるようになりました。その成果として、クラウドファウンディングでの予想を上回る販売、大手カタログ販売会社との取引契約成立に至りました。また、国内外からの取引打診などに自信をもって対応されているようです。これらの活動を通じて、知的財産権が事業化において攻守の役割を果たしていることを実感されたようです。
企画からすべてを自社で行った自社製品第一号の、意匠、商標登録を指導して頂きました。
当社のような零細企業では製品開発に出来る限り予算を割きたいところ、弁理士や弁護士からの指導・助言を受けつつ、窓口担当者からの細やかで適切な支援のもと、登録まで自社でできたことは大変助かりました。
今後、輸出に向けた海外での知的財産権取得などでもご指導を頂く予定です。
知的財産に対する理解を深められ、知的財産権での保護・活用に意欲的に取り組まれたことで、国内外での取引機会の拡大にもつながり、取引件数も着実に伸ばしておられるようです。また、知的財産が関係しそうな事案が生じたときにはすぐに相談をいただけるようになりました。 (三宅 茂樹)
独自開発木製無電源スピーカーによる収益力向上と取引拡大(374.2 KB)
掲載年月日:2018年9月12日