窓口支援事例
東洋水産機械株式会社
特許海外展開契約・法務

魚体処理機械の海外展開支援

企業情報

所在地
大阪府堺市
ホームページ URL
https://www.tosuiki.co.jp/
設立年
1978 年
業 種
製造業
従業員数
14人
資本金
3000 万円

企業概要

 当社は、大手水産会社との協力により、各種の水産加工処理機械を開発して参りました。大型魚から小型魚まで、きれいにさばく魚体処理機の開発・製造を手掛けています。創業以来、技術開発最優先のスローガンは変わることなく、社員一人ひとりの意識の中に育ち、その成果は、メーカーとして国内外を問わず確固たる位置を占めるまでにいたっております。
 事業の国際化は、世界の海を渡る私たちにとって必要不可欠な問題です。世界の水産市場と交流を密にし、それぞれの国のニーズに対応した多様な「水産加工処理機械」の開発を、私たちは行っています。

自社の強み

 当社は、北アメリカに同系会社を設け、アラスカ等の水産市場へも装置を納入しています。こうした海外対応ができるのは、3DCADとインターネットを利用した「クイックレスポンスシステム」によります。最短時間で皆様のお手元へ製品をお届けできるよう、態勢を整えています。高度な技術と高い信頼性を持つ当社の製品は、「確かな技術開発力」と「品質管理体制」に裏付けられています。私たちの技術力の高さは、数々の国内外の特許、そして数多くの実績もさることながら、こうした技術者一人ひとりの、プロジェクト遂行の義務感と、正確に把握したコスト意識の中に秘められています。

一押し商品

 当社の魚体処理機械は、大型魚から小型魚まできれいにさばきます。すり身は鮮魚を加工しなければならないため、多くは洋上で、自動または半自動でさばきます。魚体処理に重要なのは、歩留まりの向上と処理速度です。一尾からいかに多くの魚肉をとれるかがシビアに要求されます。当社では、ブリ、サケ、サバ、イワシなど大小様々な魚種ごとに骨格を調べ、ナイフの角度の調整などを工夫することにより、歩留まり率をアップさせ、状態のよい魚体処理を実現しています。処理スピードは、スケトウダラすり身で最大240 尾/分、サバフィレなら最大60尾/分、アジフィレなら120 尾/分の速さでさばきます。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社を支援されている堺市産業振興センターから、「アイルランド企業が、同社のサバ用フィレ処理機械の機能、処理スピードなどに着目され、輸出してほしいとの要望があり、欧州に輸出するには、EU の基準に適合していることを表示するCE マークを取得する必要があるので、どのように対応すればよいか」との相談がありました。

最初の相談概要

 同社は、水産加工処理機械を、北米、ロシアなど多数の国に輸出していますが、欧州への輸出は初めてでした。INPIT 海外知財プロデューサーを派遣して、欧州に輸出するための知財戦略、知財リスク対応を支援するとともに、CEマーク取得については、JETRO 大阪の新輸出大国コンソーシアムのコンシェルジュと、適合検査機関と連携して対応方法について支援しました。

その後の相談概要

 同社は、サバ用フィレ処理機械をアイルランド企業に輸出を行うことになり、専門家(国際弁護士)を派遣し、堺市産業振興センターと連携して、CEマークの取り決めを含む販売契約を支援しました。また、同社は、水産加工処理機械の特許を多数出願されており、PCT国際出願の各国への移行にあたり、外国出願補助金を紹介し、グローバルでの権利化方針について支援しました。

窓口を活用して変わったところ

 同社は、高効率で多機能の水産加工機械を多数の国に輸出されていますが、これまで、販売契約の必要性についてはあまり意識されてなかったと思われます。今回、欧州企業との販売契約の支援を通して、海外企業との取引における契約の重要性に気付かれるとともに、知的財産権と海外契約についての意識が向上し、戦略的に対応されるようになりました。


企業からのメッセージ

 知財総合支援窓口は、アイデア段階から事業化まで、知的財産権について相談を受け、INPIT 海外知財プロデューサー、知財戦略エキスパート、国際弁護士、中小企業診断士など、幅広い専門家を派遣して頂けます。また、JETRO とも連携して、海外展開戦略、海外知財戦略、海外契約など、幅広く支援して頂けます。知財に関するどんなことでも、まず相談されてはいかがでしょうか。

窓口担当者から一言

 同社は、大型魚から小型魚まできれいにさばく魚体処理機を開発し、世界に輸出されています。日本は、水産資源大国で、同社の事業の国際化は、世界の海を渡るものにとって避けられない課題です。引き続き、同社の水産加工処理機械が、世界の水産市場の隅々まで行き渡るように支援します。 (大野 健造)

魚体処理機械の海外展開支援(337.8 KB)

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掲載年月日:2018年9月26日

更新年月日:2021年8月10日

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