当社は、販売促進を目的とする企画・デザインの提案を主業務とする一方で、新規事業として幼児向けのペダル無し二輪車STRIDER(Strider Sports International, inc.)用のカスタムパーツメーカー「DADDYLAB」(商標登録第5827660号)を展開し、オリジナル商品のデザイン、製造、販売を行っています。直営オンラインショップと国内の販路(特約店)の他、最近では、米国、ロシア、中国、台湾、香港、マレーシア等への輸出も開始しています。
当社は、主業務で培った企画・デザイン能力を活かしたブランド構築ノウハウと提案力を強みとしています。具体的には、効率良くブランドの認知訴求を行うと同時にマーケットニーズを読み解き、市場に無い商品の提案を行います。また、将来的なビジネスにおける最大の強みは、ブランド「DADDYLAB」の展開で得た、国内外の独自販路を有していることです。今後、ブランド名とこの販路を活かしてSTRIDER に依存するカスタムパーツ以外のオリジナル商品を発信していきます。
当社商品の一番の優位性は、商品単体ではなく、パーツの組み合わせの自由度と豊富なカラーバリエーションです。多彩な商品ラインナップによりユ ーザーのオリジナル性に応えることが可能です。
また、商品単体も、スタイリッシュな造型と、アルマイト処理による金属に対する着色表現とから印象づける高級感・品質の高さが世界的に評価されています。
当窓口の周知活動の一つとして、自社商品を展開している会社をピックアップして支援メニューの紹介を行っていたところ、今抱えている経営課題などをお聞きし、課題解決に役立つ INPIT 支援事業の活用やよろず支援拠点との連携を提案したのがきっかけでした。
同社は、商標「DADDYLAB」をわが国ですでに登録していましたが、委託生産先の台湾や販売国では登録していませんでした。それらの国での商標権取得の重要性や効果的な権利取得方法を説明し、更に INPIT 海外知的財産プロデューサーから海外展開のアドバイスを受け、出願支援を行うと共に、よろず支援拠点とも連携し、外国出願補助金制度を利用して4カ国で商標登録をすることができました。
同社は、海外の委託生産企業や販売会社との間で簡易な契約を結んでいるのみで、現地での保管不良による品質トラブルや、同社部品への誤った交換作業による事故発生などのリスクについて十分な手当がされていない状況でしたので、専門家(弁護士)を派遣し、基本取引契約書の作成を支援しました。
同社社長は、「相手国における商標登録と英文による契約書の存在は、取引先とのビジネスの安心感と弊社に対する信頼に強く影響し、スムーズに契約を進められている」と、知的財産権の効能や契約書の重要性を再認識され、自信を持って海外へ販路を拡充されるようになりました。
当初、国内を販路に展開していた事業に対して海外からのオファーがあり、対応に困っていたところ、丁度そのタイミングに知財総合支援窓口の窓口担当者の訪問を受け窓口の存在を知りました。各手続きにおける補助金制度等の有益な情報はもちろんですが、漠然とした相談に対しても事業理解を重視した上で多角的にご指導・ご提案をしていただきました。支援事業の対応力の高さを実感し、現在でも相談先として高く信頼しています。
商品企画デザイン業務で培った多くの経験を軸にオリジナリティの高さと、商品企画にあたって重要なブランディング構築ノウハウを強みに活動されています。令和2年度施行の改正意匠法に基づく商品の企画等もご検討されており、引き続き、支援を続けていきたいと思います。
(北條 真俊)
海外展開上の経営リスク低減に係る支援(528.4 KB)
掲載年月日:2018年12月10日
更新年月日:2021年3月31日