日本プリンタエンジニアリング株式会社は、1986 年11 月に日本プリメックス株式会社の様々なユーザーニーズに対応すべく発足し、各大手メーカー様への特殊プリンタ開発を手掛けOEM 供給をして以来、KIOSK プリンタをアメリカ、ヨーロッパを含め広く海外へ輸出しております。また2006 年9 月には富士河口湖町に工場を移転し、自社開発プリンタの内製化を推進し、更なる業務拡大に努めております。
サーマルプリンタ市場のKIOSK 分野を主力事業とし、市場をリードする標準製品を独自開発しリリースすると共に、各組み込みメーカーの要求に適合した製品供給を行えることが強みとなっています。また、弊社内に於いては、機構部の開発設計、制御回路部の開発設計、ファームウエアの開発、及びアプリケーションソフトウエア開発を行っており、自立した開発体制の中で製品化が推進できるため、お客様からの細かなご要求に対し応えていける強みを持っています。
2006 年に市場にリリースしましたNP-2511D(2 インチ)/NP-3511D(3 インチ)は、現在に於いても幅広くKIOSK 市場で使用されているベストセラー機であり、市場での標準機となって広く活用されています。印字速度200mm/sec、16 階調内臓、ブラックマーク検出、耐摩耗性150km、動作保証温度-20~60℃であることから、どんなニーズにも応えられる万能機です。また、市場投入後の5 年以内での保守戻入率は3000ppm 以内に有り、信頼性の高いプリンタとして広く知られています。
知財総合支援窓口の支援内容を紹介するために、訪問したところ、国内特許出願の支援、外国出願の補助金制度などに興味を示していただき、その後、具体的な特許出願について支援の依頼を受けました。
ロール紙の交換作業を簡素化するために、2 本のロール紙を収納し、共通経路を介して供給する給紙装置の特許権取得に関し、専門家(弁理士)を活用して、他者特許の侵害回避や有効な特許の取得に向けた総合的な支援を開始しました。
その後、知財総合支援窓口を積極的に利用されるようになり、引き続き、専門家(弁理士)を活用して国内外での権利取得のための支援を行っています。ロール紙の給紙装置のベースとなる国内出願に基づいてPCT出願を行い、各国移行の際、特許庁の外国出願補助金の活用について指導助言を行いました。結果として、先行技術を回避しつつ自社技術を保護する有効な特許権を取得することができました。(特許6211699 号、米国特許9937736 号他)
特許権を取得した給紙装置を組み込んだミニプリンタは当社独自技術のものとして信頼を得て一定のシェアを獲得し、売上げの全体に占める割合が増えており、全体としても売上げが増えています。一連の知財取得活動により、知財の重要性を一層理解されました。
国内のみならず海外での事業を進めていく際、差別化技術の開発及びその成果として国内外での特許権などの知財取得が、企業のPR 効果を高めることになり、受注、販促促進の有効な手立てかと思います。
ミニプリンタの分野で、一定のシェアを獲得されており、この市場評価を今後も維持されていくよう、差別化技術の試作開発及び特許権などの知財取得を、継続して行っていただければと思います。 (望月 賢治)
ミニプリンタの給紙装置の開発(309.2 KB)
掲載年月日:2019年6月13日