窓口支援事例
Nail Le Braille(ネイルルブライユ)
商標事業・経営

視覚障がい者の想いと繋げるブランド取得

企業情報

所在地
埼玉県上尾市
ホームページ URL
https://www.tenjinail.com/
設立年
2018 年
業 種
その他サービス業
従業員数
1人
資本金
-

企業概要

 当社は、「視覚障がいがあってもその世界をカラフルでオシャレにしたい!ネイルを通じて視覚障がい者と社会をつなぎたい!」という思いから開業した出張型ネイルサロンです。店名は、点字を考案したルイ・ブライユにちなんでいます。
 視覚障がい者がサロンに通う不便さを解消するため、自宅や施設を訪問する出張ネイルを行っているほか、視覚障がい者の認知度が高い日本盲人会連合内でも依頼を受けています。
 2018年11月には埼玉県主催のビジネスプランコンテスト「SAITAMA Smile Women ピッチ 2018」において優秀賞を受賞しました。

自社の強み

 視覚障がい者のおしゃれのサポートに特化しており、場所やサービス、広告宣伝など視覚障がい者の目線で構築しています。例えば既存のネイルサロンでは見るサンプルしかなく、視覚障がい者には色やデザインを伝える表現力に乏しい状況です。当社はネイルに触れてもらうことを前提にサンプルを製作することにより、デザインをイメージしやすい様、配慮しています。
 また、視覚障がい者団体とのネットワークを築いており、様々な意見を直接聞くことができるほか、様々な協働事業を実施することにより、当社事業の認知度を高めることができています。

一押し商品

 「ネイルアートコンテスト2017」フラットアート部門 最優秀作品賞の実績を元に、日本発のメニューとしてブライユ(点字)ネイルを開発しました。これは点字をネイルのデザインとして取り込んだサービスで、視覚・触覚双方を通じてネイルのおしゃれを楽しむことができます。
 また、ネイルの技術を応用した白杖のデコレーションも実施しており、白杖に彩りを添えることができます。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社は、公益財団法人埼玉県産業振興公社の創業・ベンチャー支援センター埼玉を利用されており、事業の今後のビジョンやコンセプトを相談される中で、商標を取得して同業他社との差別化を図ることを考え、当窓口へ相談いただいたのがきっかけです。

最初の相談概要

 ご自身で商標登録出願をしたいとのことだったため、商標の類否判断、商品役務区分の見つけ方など、先行商標の調査方法の説明をしました。また、類似の先行商標が存在しない可能性が高いことから、商標登録出願の方法について支援しました。

その後の相談概要

 商標の登録査定を受けた際、本商標を一部に含む商標が出願する3日前に大手企業より商標登録出願されていた事を把握しました。その後、専門家(弁護士)を活用し、大手企業と話合いを重ねた結果、非類であり、お互いの事業を棲みわけしつつ、協力関係を結ぶ事に成功し、同社は「Nail Le Braille」を使用して事業を支障なく開始することができました。

窓口を活用して変わったところ

 同社は、商標権の重要性を理解し、商標権をテコにした事業展開の仕方について学びました。
 大手企業とは材料の供給について協力を得ることができ、また、視覚障がい者団体とは商標の共有をし、各方面の人たちとの交流の輪を拡げることに繋がりました。


企業からのメッセージ

 商標権の必要性を身をもって実感いたしました。
 ほぼ日本初の事業を始めたことで、創業・ベンチャー支援センター埼玉より商標登録することを勧めていただきましたが、商標権の必要性も知らず全く知識もなかったため、自分でできるかも不安でした。しかし、知財総合支援窓口を紹介していただき、専門知識豊富な窓口担当者がとても分かりやすく教えてくださったので、自分で申請することができました。まさかの大手企業との商標のバッティングという展開もあり動揺しましたが、過去の経験などをもとに窓口担当者が解決に導いてくださり、逆に大手企業と協力関係を築けました。

窓口担当者から一言

 商標権取得が、一日を争い権利取得に繋がる事や、逆にそのことを利用して大手企業とも協力関係を結んで行く為の手がかりに繋げる事が出来た非常にラッキーなケースだと思います。
 少しでも早い出願が大切ということを共有できました。 (大澤 忠行)

視覚障がい者の想いと繋げるブランド取得(354.0 KB)

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掲載年月日:2019年7月 8日

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