当社は、1949年の創業以来、手袋専業メーカーとして半世紀以上、良品提供の信念のもと手袋製品をお届けして参りました。現在では、手袋製品の他にホームソックスやニット製品、その他繊維製品、雑貨の製造及び販売を行っております。
本社は香川県東かがわ市湊609番地2にあり、営業所が日本各地(東京・大阪・札幌・福岡)、工場が中国、カンボジアにあります。
保有登録件数は、実用新案2件、意匠18件、商標9件の実績があります。(2019年10月現在)
創業以来、原点は「高品質な手袋の製造」という変わらぬ背骨を軸として、多様化するお客様の嗜好に細やかに商品企画をフィットさせるべく、多ブランドのラインナップを広げていくことで、より多くのお客様に「手袋の装いの楽しさ」を通じて喜んでいただくことで社会に貢献したいと邁進しております。
自社ブランドを積極的に開発し、製造・販売を行っており、自社ブランドとして、女性向けのアクセサリー「BIYUTE」、高級手袋の「ALTA CLASSE」、歴史のある手袋商品「吉田手袋」、新しいオリジナルブランド手袋商品「YUBIDERU」を有しております。
オリジナルブランドである新しい提案の手袋シリーズ「YUBIDERU」(商標登録5966554号)です。ユビデルは、手袋を外すことなく指先を必要な時に出し入れして作業できる、機能性に優れた手袋です。2017年6月にシリーズを販売開始しました。また、オリジナルブランド「吉田手袋」の新シリーズ、和柄シリーズウオームカバーも一押し商品です。
・「YUBIDERU」シリーズ 意匠登録第1587925号、1589916号、1589917号、1599839号
・「吉田手袋」の新シリーズ 意匠登録第1609475号、1609785号
当窓口のパンフレットをきっかけに、「新商品の手袋についての権利化を自社で行いたい」と窓口に来訪されました。
オリジナルブランド「YUBIDERU」シリーズのブランド展開について、手袋の新商品開発がほぼ完了した時点で、商品の権利化とブランド化の相談がありました。その際に、業界の風習ですぐに模倣品がでてくるということであり、強い権利として関連意匠を利用した意匠権の取得及び商標権取得の提案を行いました。
意匠権の出願書類の作成においては、図面、写真の作成が不得手であることから、図面に代えて提出することができる見本による意匠出願を紹介しました。同社は試作品を作ることは慣れており、最終的な完成品を見本として意匠出願を行うこととなり、出願手続きを支援することとなりました。
また、商標の出願書類に関しても書式等について助言を行い、同社で書類を作成され、出願に至っています。
その後、意匠登録出願に関して拒絶理由通知が来ましたが、専門家(弁理士)からのアドバイスも受け、無事に登録されました。
「YUBIDERU」シリーズの意匠権・商標権の権利化の後は、「吉田手袋」の新シリーズである和柄シリーズウオームカバーについても同社で出願を行い、権利化に至っています。
新商品を開発した際の権利化の意識が高まり、自社ブランド開発に伴う社員のモチベーションもあがってきました。権利を上手く活用し事業に広げるため、継続して支援を行っています。また、2017年スタートの「YUBIDERU」シリーズの新ブランド展開により、2018年度の売り上げが増加しました。
知財総合支援窓口を利用することで、意匠出願・商標出願を自社で出願できるようになり、新商品の出願のハードルが低くなり、権利化の重要性に対する意識が高くなってきました。今後も、知財総合支援窓口を利用し、知的財産の権利化、知的財産の活用を図っていきたいと考えています。
取り扱っている商品の性格から新商品の開発は欠かせないことであり、また、競合が多いので他社との差別化は企業の生き残りとして重要な事項と思われます。知的財産権の権利取得は重要と認識されていましたが、費用の関係で躊躇していたとのことで、本人出願の技量がついてきたことで安価に権利取得ができるようになり、今後の事業に役立つと思いますので、継続して知的財産の活用を図ってください。 (辰野 勇)
オリジナルブランド手袋「YUBIDERU」シリーズ(288.8 KB)
掲載年月日:2019年10月18日