当社は、起業時から一貫して「全ての汗はお客様の為に」をモットーに、日本のお客様から受注した精密加工部品を、主に中国・東南アジアから独自システムにより調達しています。また、現地資本企業を開拓し日本式品質管理を指導することで、日系企業ではない現地資本企業だからこそ成し得る低価格と日本式の品質管理手法で高い品質を保持し、納期的にも日本製と同等以上で供給することで、お客様に喜ばれる精密機械加工部品を提供しています。
お客様よりお預かりした図面に基づき、お客様のニーズにあう品質条件となるよう、各企業に各国向けの言語で製造指示書による見積りを行ないます。複数企業の見積りの中から品質、価格、納期面で最適な企業に製造を依頼します。現地出荷時には1品毎に品質保証データ(実測値)を添付し、三次元測定等が必要な幾何公差・超精密品については現地と日本での2重検査を行い、お客様が安心してご使用して頂くよう品質確保に万全を期しています。
又、常に新たな加工先の発掘及び品質向上のために、それぞれ熟練スタッフを定期的に派遣しお客様の満足度向上を目指し継続して取り組んでいます。
軽トラックの荷台用シートで商標は「楽チャックシート」です。しかし、これはただのシートではありません。従来のシートは荷台全体を覆いシートを固定するためにゴムバンド等で固定し、荷台内の荷物の積み降ろしを行なうために、カバー端部に設けられたゴムバンドを軽トラックから外し、一部をめくりあげるという「めんどうな作業」が生じていました。
本製品は、カバー上部にファスナーを設けることで、そのファスナーの操作で開口部ができ簡単に荷物の積み降ろしが可能となります。特徴は「ファスナーは水漏れする」この常識を打ち破る水漏れ対策も施してあることです。この商品は、当社で設計開発を行い、生産は強みでもある海外企業で部材調達から製造まで行います。日本特有の「軽トラック文化」の更なる効率化に貢献して参ります。
同社は、自社ブランドで販売するための商品を検討されており、社長が考えた複数商品に関するアイデアについて特許出願が可能か相談するため当窓口を訪問されました。
特許出願を行うためには先行技術調査が必要であることをご理解いただき、特許調査方法の説明を行いました。また、商品化を検討する場合は市場調査も必要であることを助言し、特許調査及び市場調査の結果に基づき事業化を進め、商品を絞り込むことを提案しました。
同社で先行技術調査及び市場調査をされた結果、同社は複数の商品の中から軽トラック用シートについて事業化を進めることを判断されました。そこで、調査結果に基づき、専門家(弁理士)を活用して他社の技術や製品との差別化ポイントを整理し、その差別化ポイントについて特許出願を行うと共に、それを反映した商品を完成させ販売を開始されました。
その後、商標「楽チャックシート」についても商標登録出願(商願2019-16719)されました。同社は、他社商品に対し優位性を有する商品を開発するために、先行技術調査や市場調査を行なうことの有用性を認識されました。現在、同社は新たな商品の事業化を検討されていますが、その商品開発においても事前に調査を行い、他社との差別化された商品開発を進めておられます。
他社と差別化されたより良い商品を作る際に特許情報は非常に有効です。商品企画を行う段階で先行技術調査を行なうことをお勧めします。その際、特許に詳しい者がいない当社においては、専門家である弁理士や知財総合支援窓口の窓口担当者の助言を得ながら商品開発を進めることができたことは大変有意義でした。事業化を検討する際、専門家の「特許出願のためだけでなく、お客が喜ぶ本当に良い商品?」という言葉は心に響きました。
同社は、不慣れな特許調査を自社で行い、その結果に基づき専門家を交えて議論することにより、他社商品に対しわかりやすい特徴を有する商品を開発され販売されています。実際に使用したユーザーからは好評とも聞いています。
現在、同社は新たな商品の開発も検討されておりますが、その商品も特許情報を活用した差別化された商品となるものと思います。
(澤田 宏二)
特許情報に基づき差別化された商品を開発(380.4 KB)
掲載年月日:2019年12月18日