当社は、ステンレス加工・プレス加工・冷間鍛造製造・金型製造を中心とする事業を行っております。当社の強みは、ワンステップ進めた高付加価値な製品の提供を考えております。開発から製造および販売まで、一貫したシステムでお客様の要望通りの製品を製作致します。
今日では、高い技術力を要求される小ロットの製品づくりのニーズが増えております。当社は、いわゆる大企業が不得意とする分野において、フレキシブルな対応を可能とし、設計から加工まで一貫した製造体制でお客様のニーズにお応えします。
●3つの技術「冷間鍛造」「プレス金型」「切削」を総合的に考えて、付加価値ある製品を大量生産することが可能です。
●3つの技術「冷間鍛造」「プレス金型」「切削」を総合的に考えて、他社より短納期・低価格でご提案致します。
<例>
パイプにおける「スリット加工」「穴あけ加工」の場合(右図)、当社では3つの技術「冷間鍛造」「プレス金型」「切削」を総合的に考えバリレス(特に内面側)加工を短納期・低価格で提供ができます。
鳥取県は西日本で有数の白ネギ生産地であり、品種や作期の拡大で周年栽培が行われております。白ネギ栽培の課題の一つが、台風など強風が原因で発生する白ネギ代名詞である「軟白部」の曲がりであり、これが品質に大きく影響します。従来、風害対策は人海戦術で鍬やトンボを使って株元への土押え作業を行っていましたが、このローラー培土器「ねぎ美人」はロータリーで土上げを行い、ローラーでネギの株元までしっかり土寄せを行い、品質向上と省人化に貢献します。圃場条件が異なるモニター農家での1年間のフィールドテストを基に製品化した結果、重量(初期モデル比):30kg→9kg、作業性(当社比):15時間/反→3時間/反となりました。
同社は、従前より下請け脱却として自社製品開発に注力され、特許出願等の支援等を行ってきましたが、未だ成果が得られていませんでした。このような状況下、鳥取県農業試験場が白ネギ農家の要望により開発した「白ネギ用ローラー培土器」の製品化連携企業として同社が推薦されました。その後、県との秘密保持契約、特許ライセンス契約の相談を皮切りに支援を開始しました。
同社は、県が行った実証説明会に出席した際、多くの農家から改良要請意見を聞き、大幅な改良が必要と判断しました。一方、ライセンス契約の第三者への実施許諾は同社の同意無しに許諾が可能となっており、これでは連携企業としてインセンティブが無く、何とか出来ないかとの相談を最初に受けました。
その後、県とのライセンス契約の改訂を行い、モニター農家から寄せられた意見を集約した改良に着手されました。改良に向け補助金獲得の支援、並行して改良製品について専門家(弁理士)を活用して特許出願について支援しました。その後は、「ねぎ美人」(商願2020-006587号)についての商標登録出願支援も行っております。
また、販売については、公益財団法人鳥取県産業振興機構の販路開拓支援員の協力を得て、県内の農機具販売会社との販売契約について支援を行いました。更に、販売の一助として県農業試験場の協力を得て『現代農業』に掲載し全国の農家への紹介を行いました。
同社は、特許等知財の重要性は認識しておられ、新しい技術は権利化もしくは秘匿化として先使用権制度を活用されています。今回初めて県保有特許の活用として特許ライセンス契約に携わり、改良特許出願時の手続き、並びに第三者への実施許諾等、契約締結の重要性を再認識されるようになりました。また、従前のプロダクトアウトでの販売ではなく、初めてマーケットインの考え方で物づくりを進めることを経験されました。
当社は、金型製造を中心とした金属加工業でBtoBが主体でしたが、今回はご縁有りまして農業分野でBtoCも関係する事業に携わることになりました。計画立案から商品化に至るまで、自社独自の判断だけでは困難を要したため、知財の側面から知財総合支援窓口の利用をさせて頂きました。
当窓口を担当して2年になります。同社支援も2年間行ってきており、製品開発から販売迄一気通貫でサポートしてきました。まずは鳥取県内で事業を確立し、その後全国への展開を期待しています。 (上田 等)
白ネギ用ローラー培土器(324.1 KB)
掲載年月日:2020年2月25日