当社は、1970年に福島県二本松市で創業しました。主にアパレル製品やスポーツウェアを中心とした縫製業務全般を行っております。「鉄以外はなんでも縫える」をモットーに、衣類に限らず、靴や革製品、自動車シートや工業用特注品などの製造にも対応しております。また、ユニフォームやのぼり等のプリントの他、海外展開実績やネットワークを活かして縫製企業立ち上げを検討する企業へのコンサルティング事業にも取り組んでおります。当社は、縫製というひとつのプロセスにとどまらず、企画への参画や、パターン作成、サンプリング、グレーディングから生産に至るまでトータルプロデュースが可能です。
これまでの経験で培ったノウハウと最新の縫製加工設備により、あらゆる生地素材の縫製加工に対応可能です。また多様化するニーズに応え、さまざまなお客様のご要望にお応えできる体制となっています。縫えるのは布地だけではありません。靴をはじめとする皮革製品や工業用各種素材、その他なんでもお取り扱いしています。他社で断られてしまったものでもまずはご相談ください。小ロットの製作から大量生産まで対応いたします。水着やユニフォーム、レオタード、スポーツウェアなどや小物なども、ご予算・数量に応じて承ります。お気軽にご相談ください。
当社代表が雪かきでの雪の重みに力の衰えを感じたことから、自分が欲しいと思うサポートスーツを作ろうと決断し、福島県ハイテクプラザと福島大学との産官学事業として約1年の開発期間を経てサポートスーツ「S字の力」(特許第6334798号)が誕生しました。背骨を挟んで、S字型に湾曲した2本のカーボン(炭素繊維)板が特徴です。荷物などを持つために屈んでも、背骨の動きを邪魔せず、また背中のS字カーブ板に反発力が働くので、身体にかかる負担を軽減します。腰への負担が約7.4kg軽減するデータも取得しており、介護、運送、農林水産、重量物取り扱い等、あらゆる職場での肉体労働負荷の軽減と、身体の保護、特に腰痛軽減効果が期待できます。
同社は縫製業界に多く見られる大手企業依存体質からの脱却と更なる事業拡大を目指し、2017年から新たな事業部門を立ち上げ、重労働を強いられる方々向けのサポートスーツの開発に取り組んできました。福島県ハイテクプラザ(公設試)と福島大学の協力を得て完成した開発成果の知財保護について問合せ頂いたことが当窓口活用のきっかけです。
最初は、開発成果に係る出願中の特許及び新たな関連発明(周辺技術)の権利化と販路開拓及び取引先拡大に向けた知財活用に関する相談を受け、開発成果に係る特許出願の早期審査請求制度活用による権利化(見える化)と、それら知財情報の営業ツールとしての有効活用等について提案し、専門家(弁理士)および公設試などと連携しながら開発成果の保護及び活用に関する支援を行いました。
また、県の先行技術調査助成事業などの補助金利用についても紹介しました。
その後は専門家(弁理士)と連携しながら海外展開に向けた開発成果の外国特許出願、ブランド構築に向けたブランド名等の国内商標登録及び活用に関する支援を行いました。また、保有する特許技術を応用した新商品の共同開発に係る支援(秘密保持契約及びその他各種契約、知財情報収集、共同開発成果の権利化等)に関する支援を行いました。
同社は当窓口の支援を通じ、新たな事業展開に向けた事前の知財リスク対策が行えたことで、安心して新規事業が推進できるようになりました。営業面においては、取得権利が自社の企業価値や信用を向上させ、取引先や販路拡大に繋げるための強力な営業ツールとして存分に機能しており、販売開始以降、売り上げが予想以上に推移しています。2019年のショールーム設立に伴い新たに人材を雇用する等、更なる事業拡大に向け社員一同、万全の態勢で取り組んでおります。
知財総合支援窓口は様々な専門家や支援機関等の連携体制が整備されており、また中小企業等にとって有用な国や自治体等の知財支援施策等の情報も充実しております。当社は特許庁の知財支援施策「知財ビジネス評価事業」を活用し、県内で初めて地元金融機関から融資を受けることができたという実績を作ることができました。是非、知財総合支援窓口を活用されてみてはいかがでしょうか?
サポートスーツ関連事業の開始以降、同社の縫製技術や対応力が高く評価され、県内外の様々な企業から、通常は縫製困難とされるような案件についての相談問合せが増える等、本業の新規顧客の獲得に繋がり、縫製工場としての事業の幅が広がったと聞いております。今後の更なる発展を期待しております。 (金澤 延人)
下請け脱却に向けた新商品開発(377.6 KB)
掲載年月日:2020年2月28日