日本有数の米処として知られる佐賀。「光吉農産」は、その佐賀市川副町で、明治時代から4代に渡り、米、麦、大豆を栽培する専業農家です。
『我が家の米を食べて頂いて笑顔になってもらおう!』、 『食卓に笑顔を届けよう!』、 『安全・安心そして美味しい米を作ろう!』の三つのことを想いながら、日々の農作業に勤しんでおります。
息子二人が就農し、乾燥調製施設を新築したことで、消費者の皆様に直接自分達のお米を届けたいと思い、プライベートブランドを立ち上げ、農薬・化学肥料を一切使用せずに栽培したお米や、その玄米を主原料としたパックご飯の販売を始めました。
安全・安心そして美味しい米を作るため、佐賀県が主導する特別栽培に取り組んでいます。
土作りからこだわり、化学肥料は一切使用せず有機肥料・もみ殻を使用しています。また、一部の圃場では農薬も一切使用せずに栽培し、その他の圃場でも農薬の使用を通常の半分以下に抑えた栽培を行っています。
無農薬栽培は、除草剤の代わりに米ぬかを利用し、除草は全て手作業で行い、心を込めて栽培しています。
私達の商品ラインナップで特徴的な商品は、ペットボトル入りお米です。米びつ要らずの新しい形の商品です。通常の袋での輸送時より破損を防げることと冷蔵庫での保存に便利です。冷蔵保存することでカビ・虫の侵入のリスクを軽減することが出来ますし、精米して直ぐにボトル詰めしているため、美味しさが長持ちします。
また、農薬・化学肥料を一切使用せずに栽培したお米『夢しずく』が主原料の玄米ご飯は、健康に気をつけたい方が手軽に食べられる商品です。
6次産業化の支援を受けられている中で、自家栽培のお米の名称を商標登録した方がよいとの提案を受けられ、当窓口に来訪いただいたことがきっかけで支援を開始しました。
商標制度の概要の説明を行ったうえで、予定されていた名称について、商標先願調査をすべきであることから調査の仕方の指導を行いました。類似する登録商標が存在することが判明したため、新たな名称の検討・助言を行いました。息子さん二人が就農されたことから共販から脱却し、今後は米生産以外に、加工品、野菜生産なども手掛け、プライベートブランドを立ち上げたいとの意向でしたので、ブランド構築に関してのアドバイスを行い、複数のブランド名称の候補を挙げてもらうこととしました。
複数の候補名から、事業展開を考慮してブランド名の商標登録出願につき専門家も活用しながら支援を行い、商標登録となりました(商標登録第6125360号、第6158298号)。ブランド構築のためにはHPの立ち上げ、商品展開、ブランディング支援も必要と感じましたので、よろず支援拠点や6次産業化サポートセンターとも連携しながら、また弁理士等の専門家も活用して支援を行いました。海外での販売取引の申入れがあったとのことから、外国出願補助金を利用しての商標外国出願についても支援を行いました。
名称ロゴを自分たちで作りあげ商標権を取得されたことで、自社ブランドとしての意識が高まったと感じられます。ブランドイメージを統一するよう取り組まれ、自社商品を積極的にPRされるようになりました。他機関が行っている中小企業支援施策にも興味を持たれ活用を図られていますので、更なる販路拡大が期待できると思われます。
商標権を取得したことで、自社ブランドをどう確立していくかということを、以前にも増して考え行動するようになりました。知財は自社ブランドを守るだけではなく、モチベーションの向上にもつながるものだと実感しています。また、窓口支援では、商標権取得だけではなく、商品販売に向けたアドバイスや支援をしていただきとても助かりました。知財総合支援窓口と聞くと敷居が高い印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、知財のことで気になることがあったら一度ご相談されることをお勧めします。
安全・安心そして美味しい米を届けようと頑張られています。ブランド名候補のピックアップから書類作成、各支援機関への問合せなど行動が速く、熱意を感じました。新たな加工品も検討されていますので、今後も知財面の権利化やブランド戦略に関して支援していきたいと思います。 (市丸 美津子)
知財とブランディングを核としたブランド構築支援(795.0 KB)
掲載年月日:2020年3月 4日
更新年月日:2022年8月24日