当社は、工作機械用ツーリング及び周辺機器のメーカーとして1924年(大正13年)に機械工具製作を業として創立し、現在のドリルチャックメーカーの中では最も古くから製造開発を行ってまいりました。地球印のドリルチャックで皆様からご愛顧頂いております。近年には「経営革新計画承認」の認定を受けることができ、老舗メーカーとして標準品から特注品まで幅広く対応させて頂いております。(旧 株式会社堀内製作所)
お客様に「選ばれる製品作り」を心掛け、常に高い精度、機能、デザインにこだわっております。
自社開発によるオリジナル商品を数多く製作し、独創的な発想でユーザー様の期待にお応えいたします。
特にドリルチャックは創業から90年以上製作、販売しておりJIS規格を上回る精度です。規格外のドリルチャックや工作機械には必要不可欠な周辺機器、精巧な特注品などを多く手掛けており、お客様に確かな実績を提供しております。
当社の一押し商品は、今回の窓口支援を活用して開発、特許権及び商標権を取得をした【クーラントチューブスリーブ】です。[特許第6596113号、商標登録第6398523号]
本製品は、金属加工用NC旋盤で使用する工具です。
旋盤は高速回転する素材に刃物を当てて加工するため、刃物が高温になります。そのため冷却剤を当てながら加工することが一般的ですが、素材の内側を加工する場合、冷却剤が刃物まで届かないという問題がありました。
それを安価に解決しようと開発したものが、この『クーラントチューブスリーブ』です。刃物を機械にセットするための工具に冷却剤の通り道を設け、複雑なセッティング無しに使用でき、刃物の冷却効率を改善します。
同社は、ドリルチャックの開発中に、第三者の知財クリアランス調査が必要となり、茨城県中小企業団体中央会の紹介により、当窓口に来訪されました。窓口担当者とのドリルチャックの知財クリアランス調査に関する打合せの中で、同社が顧客ニーズを捉えた革新的NC工作機械用スリーブも試作しており、この試作品について特許取得して、事業拡大を図ることにしました。
NC工作機械用スリーブの試作品を見ながらどのような権利とするかを検討しました。商流、セールストークを確認し、発明のポイントの整理、先行技術調査の助言を行い、セールストークに近い発明で特許出願を行うことにしました。
専門家(弁理士)と連携して複数の特許出願を出願しました。その際、特許権取得の目的を明確にして、セールストークとなる技術的視点のみならず、商流を想定して夫々の事業をカバーする権利範囲、明細書、図面について助言しました。
最先の特許出願に関する拒絶理由通知では近い先行技術が引用されましたが、補正のポイント等を助言し、製品および関係する事業をカバーするセールストークに近い範囲で特許が取得できました。
また、商品名『クーラントチューブスリーブ』、英語名『Coolant tube sleeve』(商標登録第6398524号)について商標権を取得しました。
他の特許出願の権利化方針も決め、新たな開発品『GLOBEスタンダードスリーブ』の意匠権取得(意匠登録第1697444号)を含めて今後の事業計画に即した知財の支援を行っています。
同社のホームページに革新的NC工作機械用スリーブ『クーラントチューブスリーブ』の特設ページが開設され、特許登録になったことが掲載され、知的財産を得たことが効果的な宣伝効果を生み、『クーラントチューブスリーブ』の売上拡大と普及に貢献しています。窓口を活用することにより、事業戦略に資する知財活動の支援ができたと思います。
窓口担当者には何度も足を運んで頂き、親身になって相談に乗って頂きました。
私たちにはない角度での助言や、知的財産を守るための戦略やテクニックなど具体的に教えて頂きました。特に特許権については様々なお話を聞くことができ、無事に特許取得となり、その後の展開にもアドバイス頂けました。
顧客ニーズを捉えた革新的な製品を知財で保護して、事業を発展させ、普及させたいという同社経営者の積極的な姿勢が、専門家(弁理士)、窓口担当者の助言を引き出していると思います。事業を知財で戦略的に保護したい方は知財総合支援窓口にご相談ください。 (水村 武司)
NC工作機械用スリーブの特許取得支援(619.4 KB)
掲載年月日:2020年3月12日
更新年月日:2022年7月26日