主に自動車工場(本田技研工業㈱・住友電工焼結合金等)の量産設備のライン設備として使用される部品洗浄機・機械加工時使用されるクーラント液の精密濾過機等を設計・製作して、弊社独自のオリジナル製品として納入している会社です。
社内において一貫して設計・製作・組付け・試運転調整を行い上記量産工場に必須の設備として納入しております。
新製品の開発や客先予算に応じた設計製作を得意としています。
自社独自の開発・製作を行う事でコスト面の優位性や将来性のある製品を作ることが可能です。
納入先が九州以外のため、製品の完成度を高めなければならない環境にある事で海外に輸出も可能な会社です。
(補足説明)完成度が低い製品ですと納入後の手離れが悪くなります。
・研磨機の精密ろ過装置のマグネットインラインフィルター
研削盤やマシニングセンター等の加工使用するクーラントに含まれる研削屑や切り屑などを効率的且つ経済的に除去する性能をもっております。ランニングコストも従来の方法の1/3です。
・旋盤の切粉処理としてのマグネットボックスコンベヤ
従来のマグネット式チップコンベアは、搬送が困難であった旋盤の切削屑をスムーズに搬送することを特徴としています。
磁気を応用した工作機械に使用するクーラントの浄化装置を開発され、それが他社の特許権を侵害している可能性を心配されて相談に見えたのが最初でした。特許の先行調査方法を説明した上で先行技術を簡易検索して得られた特許情報を提供しました。これをきっかけに特許や実用新案について相談をされるようになりました。
鉄鋼材料の研削、切削、放電加工に使用後のクーラントには、加工時に生じる種々の加工屑が混入しています。マグネットを利用し、磁力を作用させ鉄屑などでフィルターを造り、クーラントを濾過する装置を開発され、権利化について相談されました。発想に独自性があると思えたので専門家(弁理士)に相談されるよう提案しました。その後、PCT出願され、日本、米国、中国で磁気インラインフィルタの名称で特許査定(特許登録第6086928号)となっています。
磁気インラインフィルタの特許出願後、これを組み込んだクーラントの浄化装置の権利化のご相談があり、実用新案登録に向け支援を行いました。また、従来のマグネット式チップコンベアでは搬送が困難であった旋盤切屑をスムーズに搬送するマグネットボックスコンベヤも開発され、特許出願についてのご相談があり、PCT特許出願と外国出願助成金活用について支援を行いました。マグネットボックスコンベアは、日本、韓国で特許査定(特許第6371933号)となっており、直近の2年間で220台の販売実績があります。
創業当初から製作されていた製品が数年前に他企業で特許申請がなされたことが窓口相談で明らかになりました。事業に貢献すると見込める開発製品について、常に窓口に相談されるようになり、重要度の高い製品の保護に対する観点が変わり、知財を事業に旨く生かされるようになりました。
令和元年度も支援により実用新案権1件を取得、更に部品洗浄後の乾燥装置の権利化を支援中です。
メーカーへの脱皮・成長を目標にされていますが、近い将来実現されると期待されます。
鹿児島県にこのような窓口があることでより良い製品開発が可能になりました。
弊社のオリジナル製品が特許・実用新案で公的に守られることで保護された独自性の商品開発ができています。
知財総合支援窓口に相談することで、専門家等から幅広い情報や課題に対する解決につながる提案ももらえるので、積極的に利用されるようお勧めします。
金属の機械加工に必要なクーラントの浄化装置や搬送困難な旋盤切削屑の搬送装置など、ニッチな分野の課題を的確に把握され、それを解決する技術開発に取り組まれて実績を作っておられます。これから、部品加工工場のスマート化が進むと考えられますが、既に、そこに顕在化している、または潜在的課題も把握されており、技術開発に取り組んでおられます。メーカーへの脱皮も期待されます。 (濵石 和人)
磁気技術を応用した自動車部品洗浄・加工屑搬送装置の開発(204.0 KB)
掲載年月日:2020年4月15日