窓口支援事例
農業法人 八千代伝酒造株式会社
特許事業・経営

特許取得による模倣品対策の支援

企業情報

所在地
鹿児島県垂水市
ホームページ URL
https://yagishuzou.co.jp/
設立年
1928年
業 種
製造業
従業員数
15人
資本金
150万円

企業紹介

 国有林「猿ヶ城渓谷」の大自然の中で、「農業から焼酎製造までの一貫造り」をめざして原料となる米やさつまいも栽培に取り組んでいます。また、一次仕込み、二次仕込みともにすべてかめ壺で発酵させる「総かめ壺仕込み」で丁寧な焼酎製造を行っています。よりこだわった焼酎造りを実現し、グレードの高い焼酎文化を作るためにも、海外への販路も開拓中です。

相談のきっかけ

 同社は数年前から、糖蜜度の高いさつまいもを使用して、芳醇で濃厚な味わいの焼酎製造を行って販売してきました。その品質と味わいが評判となり、業界関係者からの問い合わせが増えた一方、類似の商品も出てきたことから、自社商品を守るためにも特許による権利化を意識するようになり知財総合支援窓口に相談に来られました。

支援概要

 焼酎の製造方法は確立されていることから、原料のさつまいもを限定しただけでは特許取得は難しいと思われ、専門家(弁理士)と権利化の判断について検討を加えました。まず、現状技術の課題と解決策についてこれまで取得してきたデータを再度見直し、その結果、高い糖蜜度を得るための風乾方法や蒸し工程、冷却工程に技術的な特徴を有することが分かりました。
 さらに、高い糖蜜度のさつまいもを使用した焼酎は従来の焼酎と比べて香気成分やうま味成分が数倍高く含まれていることが分かり、特許出願(早期審査請求)を2件行いました。

支援成果

 早期審査請求したことで、3ヶ月で特許登録となりました。特許を取得したことで、業界内での評判はさらに良くなり、商品の売り上げも前年比の140%と好調を維持しています

企業コメント

 当社は従業員15名の小企業ですが、今回2件の特許を取得できたことは、大きな自信になりました。関心が低かった知財への意識が高まり、海外出願も含めた海外への販路開拓も検討中です。

窓口担当者コメント

 焼酎の製造方法は、これまで確立されていることから、特許取得については困難を要すると思われました。しかし、腐敗対策を講じながら、糖蜜度の高いさつまいもの製造工程に技術的な工夫がされて、従来の商品と比較して、味・香り成分が数倍高いことがわかり、権利化を確信できました。中小企業の権利化の支援ができ、企業の意識も上がり、良かったと思っています。 (新村 孝善)

特許取得による模倣品対策の支援(508.8 KB)

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掲載年月日:2020年11月 5日

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