窓口支援事例
特許技術の活用による事業展開
企業情報
- 所在地
- 宮城県黒川郡大和町
- ホームページ URL
- https://www.alcom-inc.co.jp/
- 設立年
- 2001年
- 業 種
- 製造業
- 従業員数
- 47人
- 資本金
- 4,000万円
企業紹介
当社は仙台市の北に隣接する大和町に本社と金型製造工場を構え、三重県の伊勢工場の他、タイのアユタヤに現地法人を有する企業です。独自の技術を活用し、ウェアラブル端末、自動車の電装部品、自動化装置などの部品製作用のプレス成形、射出成形の超精密金型製作から、成形品の量産まで、ワンストップで対応可能であることを強みとし、“独創技術志向のトップランナー”となることを目指しています。
相談のきっかけ
射出成形は金型のキャビティと称される空間に溶融高分子材料を圧入して成形品を得ますが、材料の熱分解などに起因するガスを外部へ排出させるベントのメンテナンスが生産性低下の要因になります。同社は、このメンテナンスの頻度を大幅に低減する技術を開発し、特許出願について、INPIT宮城県知財総合支援窓口に相談されました。
支援概要
同社は特許出願の経験がないとのことで手続や特許庁への提出書類などに関し、具体的に説明したところ、自社で特許出願をしたいとの意向が示され、出願手続について助言しました。また、同社は開発技術を取引のある国内外企業向けに事業展開することを検討中とのことでしたので、優先権主張によるPCT出願を視野に入れ、出願と同時に出願審査請求と早期審査の申請について助言しました。
支援成果
拒絶理由通知への対処についても助言し、特許第7217849号;『射出成形用金型及び成形方法』として、出願日から約5か月で特許査定を受け、直ちにPCT出願がなされました。同社は国内外企業向けに、本技術による生産性向上や射出成形における成形不良を抑制して高機能製品へ適用できることをアピールした結果、数社が興味を示しています。なお、環境への負荷を低減可能な生分解性プラスチックへの適用についても検討中です。
企業コメント
当社として初めての特許出願でしたが、INPIT宮城県知財総合支援窓口の助言により、短期間で権利を取得できました。本技術は、射出成形における生産性向上や環境への負荷低減はもちろん、他の分野にも応用できると考えています。それらについても権利化が必要と思われますので、同窓口には引き続きの支援を要望します。
窓口担当者コメント
同社は特許技術を活用して、海外展開も検討したいとのご意向をお持ちなので、各方面の専門家との連携を密にして支援の充実を図るとともに、関連特許の出願も必要になる可能性が高いと思われるため、適宜支援したいと考えています。
(片平 忠夫)
特許技術の活用による事業展開(128.9 KB)
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掲載年月日:2024年2月 8日