窓口支援事例
有限会社落合製作所
特許意匠商標

射出成型品自動取り出しアタッチメント「ここで吸う」の知財化と事業化

企業情報

所在地
山梨県上野原市
ホームページ URL
https://www.youtube.com/@OCHIAIWORKS
設立年
1984年
業 種
製造業
従業員数
8人
資本金
2,700万円

企業紹介

 当社は取引先からの委託により、プラスチック射出成型品の製造・販売を行っています。この業界では何年も前から数量の多い製品は海外に移転され、日本には少量多品種生産のみが残る状況です。少量多品種への対応は多くのアタッチメントを交換することが必要で、交換位置の割り出し作業に多くの工数が掛かり「生産性が上がらない」との半永久的な課題がありました。

相談のきっかけ

 同社が知財に関する相談先を探していたとき、上野原市商工会からINPIT山梨県知財総合支援窓口へ連携支援の要請がありました。これをきっかけに、以前から同商工会で知財相談を対応されていた望月義時弁理士を当窓口の専門家として同席いただき、上野原市商工会にて商工会・専門家・知財総合支援窓口が連携して支援することになりました。

支援概要

 特許だけでなく、特許・意匠及び商標という複数の種類の権利で保護することは効果的であるとの専門家助言により、まず、特許・意匠及び商標を取得することとなりました。そして同社はプラスチック機器の国際展示会であるIPF2023(International Plastic Fair 2023)までに特許3件の出願を目指すとともに、意匠及び商標の出願を完了させました。
 次に、同社はこのIPF2023出展を通じて「同業他社もアタッチメント交換に時間がかかり生産性が低下するとの課題が存在する」として市場に出すことが急務と考え、成型品取り出し機器に精通しているパートナー企業を設定し、販売代理店契約を専門家(土橋順弁護士)の助言を得て作成・締結し、アタッチメント「ここで吸う」の販売を開始しました。
 現在は、3年先のIPF2026への次期商品を目指し、知財戦略エキスパートの支援を加えて海外知財を含む知財戦略の検討を進めています。

支援成果

 特許3件、意匠1件、商標3件の権利を取得することができ、ほかに特許1件の出願も完了しました(特許第7544391号、第7544406号、第7583494号、意匠登録第1767706号、商標登録第6791997号、第6791998号、第6829140号、他)。また、特許取得品を製品化し、新規に販売店を設定し全国規模での販売を開始することができました。初期3月から8月までの半年間で50万円を売り上げていますが、3年後には倍増するものと期待されています。

企業コメント

 今回の射出成型品の取り出しユニット「ここで吸う」は実際の現場での解決策がないかと試行錯誤して考えたものです。当初は1つのアイデアでしたが、専門家(望月義時弁理士)や知財総合支援担当者とフラットにかつ一生懸命に共に考えていただいた結果、思いを超える権利確保が行え、販売もできました。また、現在は3年先のIPF2026への次期商品を目指し知財戦略エキスパートにも加わっていただき特許戦略を構築し、より大きな成果を残したいと考えています。

窓口担当者コメント

 同社の改善・改良の視点と創作力には他が追随できないものがあり、商品化に向かう実行力にも目を見張るものがあります。この根底には「同業他社で困っていることを解決したい」との強い思いが感じられます。次のIPF2026への出展で満足できる成果を残せるように、引き続き支援していきたいと思います。 (近藤 功)

射出成型品自動取り出しアタッチメント「ここで吸う」の知財化と事業化(137.4 KB)

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掲載年月日:2024年11月22日

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