窓口支援事例
空気緩衝材の権利保護支援
企業情報
- 所在地
- 静岡県沼津市
- ホームページ URL
- https://www.kk-nichiwa.co.jp/
- 設立年
- 1987年
- 業 種
- 製造業
- 従業員数
- 10人
- 資本金
- 5,000万円
企業紹介
当社は、空気を活用した緩衝材(エアー緩衝材)の開発・製造を行っています。同社の緩衝材は、空気のチカラで梱包する次世代の梱包・緩衝材です。封入した空気の逆流を防ぐ「逆止弁」が備わっており、梱包製品のサイズ・形状に合わせて安全確実に保護することができます。従来の梱包資材では難しかった様々な課題の解決に向けて、オーダーメイドで設計・提案しています。
相談のきっかけ
静岡県産業振興財団から、空気緩衝材等の製造企業が新規に梱包資材を開発したため知財での保護が可能かとの相談を受け、同社に同行訪問させていただいたことがINPIT静岡県知財総合支援窓口活用のきっかけです。
支援概要
以前、「流体返戻部を有する逆止弁」について日本並びに米国、韓国、中国、台湾で特許を取得し、その他にも複数の特許を保有していましたが、同社を訪問したときには梱包構造「air-WRAP」(特許第6408298号)以外の権利は消滅していました。そこで同窓口では、専門家(東條中小企業診断士、島野弁理士等)、INPIT知財戦略エキスパート小原氏(旧知財戦略アドバイザー)を活用し、静岡県発明協会の特許流通アドバイザー風間氏にも同席いただいて、知財活用のメリット、営業秘密管理や契約の重要性について助言を行った結果、開発した梱包製品「air-BOX」の特許を取得することができました(特許第6570099号)。
更に、同社へ静岡県産業振興財団の外国特許出願補助事業を紹介したところ、同社は当該補助事業を活用し、アメリカ、マレーシア、タイでも権利化しました。商標登録については、会社のロゴマーク及びairシリーズの各製品についても支援を行いました。
また、販路拡大のために独立行政法人中小企業基盤整備機構の「販路開拓コーディネート事業」を紹介し、ホームページのリニューアル、チラシ作成、展示会出展に関して、新規梱包材のPR方法について助言しました。
支援成果
梱包構造「air-WRAP」(特許第6408298号)とその製造装置について、ライセンス契約が締結でき、また、「air-CUBE」(特許第7501894号)、「air-BOX」(特許第6570099号)に関しては大手企業からの問合せがあり、注文を受けることができました。従業員を増員し、売上げも向上しました。その他、様々な企業より梱包資材や物流の問合せを受け、各社の課題を解決する梱包材の開発・試作を行い、新たな梱包材等の製品を提供しています。
企業コメント
きめ細かなご指導・助言をいただき、当社が保有している知財を強みとしたビジネスを系統立てて推進できるようになりました。新規製品の権利化、ホームページの一新、各種展示会への出展などを通じ、大手企業様からの問合せ・引合いが増加しており、着実な成果を出していきたいです。
窓口担当者コメント
技術力が高く、省資源で人や環境に配慮した製品開発に取り組んでいる企業です。企業秘密の管理や知財戦略の重要性を理解していただき、技術の保護と知財活用により大手企業との対等な取引につながっていると思います。今後も様々な梱包ニーズに応え、画期的な製品の開発を期待します。
(宮枝 清美)
空気緩衝材の権利保護支援(167.6 KB)
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掲載年月日:2024年11月27日