窓口支援事例
知財保護が菓子商品のヒットを後押し
企業情報
- 所在地
- 沖縄県那覇市
- ホームページ URL
-
https://e-nampo.com/company
- 設立年
- 1984年
- 業 種
- 製造業
- 従業員数
- 140人
- 資本金
- 2,100万円
企業紹介
当社は、1984年創業の沖縄を代表する菓子メーカーです。色彩豊かな沖縄の素材(紅芋、アップルバナナ、イチゴ、パイン、マンゴーなど)を生かした「目で見て楽しく、食べて美味しいお菓子」がコンセプトのいろいろな菓子商品(べにいもたると、ちんすこう、など)を製造しています。県民の皆様や、沖縄を訪れる国内外の観光客の皆様のお土産品として大変好評をいただいています。
相談のきっかけ
同社では、コロナ禍により売上げが激減したことをきっかけに、高級な菓子を商品ラインナップに加える方針が打ち出されました。この方針のもと、薔薇の花をモチーフにした気品あふれるお菓子の形状とし、高級感が漂う商品名やパッケージとした新規の菓子商品を開発しました。そこで、この新規菓子商品の保護すべき知的財産を確認するためINPIT沖縄県知財総合支援窓口にご相談に来られました。
支援概要
ヒアリングの結果、薔薇の花をモチーフにしたお菓子の形状と商品名の保護が必要であることを確認しました。また、初回窓口来訪日の10日後に発売日が迫っていたことから、専門家(大久保秀人弁理士)に協力していただき、意匠出願及び商標登録出願について緊急かつ集中的に支援しました。
お菓子の形状については、薔薇をモチーフにした菓子が既に存在することが予想されたため、弁理士の助言のもと戦略的な意匠出願を発売日の前日までに完了し、無事に意匠登録に至りました(意匠登録第1772045号)。
商品名については、お菓子の形状が同じで素材が異なる商品のシリーズ化が計画されていたため、共通部分である「薔薇甘」で商標登録することを助言し、無事に商標登録に至りました(商標登録第6722642号)。
支援成果
商品名を商標権で保護するとともにお菓子の形状を意匠権で保護することで、菓子商品をより強固・多面的に守りながら、他社商品との差別化が維持できました。
そして、意匠出願及び商標出願が完了した直後に、第1弾として発売した、沖縄県産紅芋を材料とする「薔薇甘紅芋」は、発売日から約5か月間で3万箱を販売する大ヒット商品となり、某雑誌社が実施した ”空港発商品のヒットランキング” にて第1位を獲得することができました。
このことは沖縄の地方紙だけでなく全国紙でも採り上げられ、開発秘話とともに商品紹介されています。
また、第2弾として発売した、沖縄県産苺を材料とする「薔薇甘苺」は、一般社団法人 日本フードアナリスト協会が主催するジャパン・フード・セレクションの食品・飲料部門においてグランプリを受賞することができました。
企業コメント
これまで商品名の商標登録は逐次行ってまいりましたが、お菓子の形状を意匠権で保護することも商品保護において重要であることが分かりました。特に、意匠権は初の取得となり、今後の商品開発に弾みが付くと思われます。そして、商標権と意匠権の両方を取得できたことで、新規菓子商品「薔薇甘」のブランド力がアップし拡販につながっていると実感しています。
窓口担当者コメント
今回の支援をきっかけに、商品名を商標権で保護するだけでなく、お菓子の形状を意匠権でも保護することが、自社の菓子商品を守ることができて他社商品との差別化が維持され、売上拡大につながることをご理解いただきました。
(原田 昭明)
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掲載年月日:2025年3月17日