窓口支援事例
商標の活用による国産キャビアのブランド力向上
企業情報
- 所在地
- 島根県邑智郡邑南町
- ホームページ URL
-
https://shimanecaviar.com/
- 設立年
- 2014年
- 業 種
- 製造業
- 従業員数
- 4人
- 資本金
- 150万円
企業紹介
2005年、有限会社小林建設がチョウザメの養殖を開始し、以来、オオサンショウウオが生息するほどきれいな水に恵まれた自然豊かな環境で、現在は7種類のチョウザメを養殖しています。2016年のアムールチョウザメのふ化成功を機に養殖に専念し、完全養殖を目指して今では4種類の種苗生産に成功しています。そして、2014年に設立していた当社にキャビア等の製造・販売を移行し、現在当社は5種類のチョウザメのキャビアを製造・販売しています。塩や味付けなどに使用する原料も「地元や国産」にこだわり製造しています。キャビアでの新商品開発に加え、チョウザメの身やアラなどの商品開発にも取り組んでいます。
相談のきっかけ
地元酒蔵の日本酒で洗ったキャビアの商品名として同社が考えるネーミングに類似する先行商標がありました。これら先行商標に対しての知財クリアランスに関する相談及び、パッケージデザインに使用する地酒銘柄を表記するにあたり酒造メーカーとの知財の取扱いに関する相談をINPIT島根県知財総合支援窓口が受けたのがきっかけでした。
支援概要
商品名の知財クリアランスから商標出願までの過程において、どうしても「酒キャビア」、「日本酒キャビア」等、品質表示に近く、かつ先行商標が存在するネーミング案になりがちでした。その中で同業者との差別化が図れ、日本酒の使用がイメージできるネーミング案の検討を同窓口が支援し、「盃を交わす」=「お客様との親交を深める」との思いから「盃キャビア」と名づけられ、商標権(商標登録第6828937号)を取得されました。
また、各製品パッケージの商標取得はなされていましたが、企業名や国産キャビアブランドとしての出願はされていなかったため、ブランド名「SELEVIAR」の使用形態、出願形態を検討し権利化(商標登録第6859084号)する過程で、階層的な商標権取得によるブランディングについての助言を行いました。
支援成果
商品の保護だけでなくブランドを構築し育てるツールとしての商標と捉えることで、ブランディングの意識が高まり。オリジナリティの高い商品を上市することができました。ブランドの信頼度が高まり、有名百貨店での取扱いも安定的に推移し、催事での集客も好調です。同様な手法で、塩昆布入り「喜(よろこんぶ)キャビア」、醤油仕立て「醤油(ひしお)キャビア」等の新商品のネーミングを施され、和キャビアとしてのブランドを確立しつつあります。
企業コメント
今回、同窓口のご支援により、新商品「盃キャビア」、ブランドロゴの商標を取得することができました。今回のネーミングの考え方はその後の新商品のネーミングにも生かされています。課題はまだまだありますが、引き続きアドバイスをいただきながら邑南町発ジャパニーズキャビアの素晴らしさを広めていきたいと思います。
窓口担当者コメント
今回の日本酒だけでなく、次々と新たな和風キャビアの開発に挑戦され、更に今後はチョウザメの食肉製品の充実も考えておられます。この弛まぬ挑戦の歴史をアピールするとともに、同社ブランド、及び製品の良さを広く知っていただけるよう今後も支援させていただきたいと思います。
(新谷 佳弘)
商標の活用による国産キャビアのブランド力向上(149.0 KB)
このページを印刷する
掲載年月日:2025年5月29日