窓口支援事例
株式会社シーリング
特許契約・法務特許契約・法務

女性用下着装着体の模倣品対策及び特許ライセンス支援

企業情報

所在地
山形県山形市
ホームページ URL
https://www.c-ring.co.jp
設立年
2002年
業 種
医療・福祉
従業員数
8人
資本金
1,000万円

企業紹介

 当社は、中国伝統医学の手技療法を提供する接骨院と整体院を運営しています。お客様からの婦人科疾患のご相談をきっかけに、カイロ収容ポケット付き布ナプキンを開発しました。本製品は、中国医学の基礎理論と解剖学的観点をもとに設計されたフェムケア用品です。厳選素材を使用した高品位の製品を手造りしています。女性が日々の生活を豊かに送れるようにサポートしております。

相談のきっかけ

 カイロを用いた女性用下着装着体(特許第7123370)、いわゆる「おまたカイロ」の類似品をインターネット上で発見し、これらのうち特許侵害品について販売中止など対策を講じたい。また、ブランド下着企業から特許ライセンスの打診を受けており、特許実施許諾の考え方などについて教えてほしいとのことでINPIT山形県知財総合支援窓口へ相談に来られたのがきっかけです。

支援概要

 証拠品を入手して確認してもらうこと、また、特許ライセンスについては、契約条件を明確化してもらうことを助言しました。その上で、向田弁護士と黒沼弁理士から模倣品の排除に向けた支援を受けました。
 支援開始後、有名芸能人が体験談として下着装着体は女性にとってとても良いものだとSNSで情報発信したことで、類似品が急増しました。これを受け、同社が特許を侵害すると思われる製品の販売者に対して通知書を送付するにあたり、向田弁護士とともに助言を行いました。
 また、ブランド下着企業との特許ライセンスでは、向田弁護士から助言を受けながら相談者自身で利益を考慮した実施許諾契約書案を作成し、交渉に臨みました。なお、ブランド名「cu.lu.re」(くるり)はいずれ変更予定とのことで、そのときが来てから商標権での保護・活用に関して支援することとしました。

支援成果

 特許に抵触すると思われる模倣品に適切に対応することができました。また、こだわりのある素材を使用して着け心地感を高めることで、安物のまがい品と区別させ利幅のある商品としたことで、売上げが堅調であり利益も向上しました。また、ブランド下着企業とのライセンス契約も収益向上に貢献しています。
 なお、生産が追いつかず売り逃しが多いという課題がありましたが、製造工程ごとに分業化したほか、寒河江市商工会の福田経営指導員から縫製の下請先を探してもらうなどして需要と供給のバランスに見合った生産量を確保するに至りました。さらに、本商品は対面販売に適した商品であることを強みとしており、新たに対面販売にこだわった施術と小売を行う業者と取引が成立したことで販路が拡大しています。

企業コメント

 販売開始直後から、当社の特許を使用したライセンス製造の依頼が寄せられました。一方で、模造品も急速に増加する中、製造や販売の方法を模索しながら事業化を進めていました。しかし、契約や模造品対策に関する専門的なノウハウが乏しかったため、専門家からのアドバイスを受けることで、迅速かつ的確に対応することができました。

窓口担当者コメント

 このたびの支援を機に知財経営を意識されたことで、事業基盤の強化や事業戦略の立案などで役立てていただけたようです。また、経営者様の優れた企画力と行動力、人的つながりなどを活かして、海外進出に向けた下準備を着々と進められるなどしておられます。今後の更なる企業成長を期待いたします。 (三宅 茂樹)

女性用下着装着体の模倣品対策及び特許ライセンス支援(255.2 KB)

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掲載年月日:2025年9月17日

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