柑橘と加工品事業の販促対策支援

　宇和島商工会議所での愛媛県よろず支援拠点のサテライト相談会に、INPIT愛媛県知財総合支援窓口が同席をしています。その相談会で「販路拡大のため宇和島市の補助金活用を検討しており、申請書作成の注意事項についてアドバイスが欲しい」と同社から相談があったことがきっかけです。

　同社に対し、まず「SNS『Instagram（登録商標）』で使用している商品名称が統一されていないので、ブランドの周知性を高めるには商品名称を統一するように」とアドバイスしました。
　また、愛媛県よろず支援拠点（関原雅人様）とともに、拡販活動のための補助金制度の紹介及び申請書作成の支援を実施しました。事業を計画的に進めるために、販売開始時期、販売期間、関連イベント等を考慮して、賞味期間を有した商品開発スケジュールの作成、需要と供給のバランスのとれた在庫管理の実施、イベントごとのガントチャートによるスケジュールと実施項目を明確にするように助言しました。
　販路に関しては、高い販売価格が設定可能な地域や、愛媛の柑橘が周知されていない地域へのイベント出展等の販売活動を提案しました。一方、専門家（大西浩之弁理士）を活用して商品名称に対するリスクヘッジの説明と商標出願（文字商標）に向けて拒絶を想定した助言を行いました。並行して、ブランディングの観点からバラバラであった商品ラベル等の色使いを統一するようアドバイスを行い、色使いの認知が広がったため、宇和島商工会議所との連携により宇和島市の知的財産に関する補助金制度を活用して商標出願（結合商標）について助言しました（商願2025-105044）。

　詳細なスケジュール管理により効率的に事業を進めることができるようになってきました。高い価格で販売可能な地域や愛媛の柑橘が周知されていない地域への販路を徐々に広げることができたことで、原材料（柑橘）の仕入れ先の増加を図ることにもつながっています。
　商品名称と商品ラベル等における色使いが統一感のある使用状態になり、ブランドの発信力の向上、ブランドの認知が向上しています。
　これらの結果、創業当初と比較して、販売先は約1.5倍、原材料（柑橘）の仕入先と販売額は約2倍の数値を達成することができました。