窓口支援事例
鋳物ホーロー浴槽開発の知財戦略支援
企業情報
- 所在地
- 広島県広島市
- ホームページ URL
-
http://daiwajuko.co.jp
- 設立年
- 1831年
- 業 種
- 製造業
- 従業員数
- 181人
- 資本金
- 65,100万円
企業紹介
当社は天保2年に創業し「たたら製鉄」の精神を受け継ぎながら、現在では鍋や羽釜、五右衛門風呂や鋳物ホーロー浴槽から産業機械、工作機械の主要鋳物部品や大型船舶のディーゼルエンジン鋳物部品まで、高い技術力を駆使して幅広い鋳物製品を作っている会社です。近年、電気自動車などの検査に用いられる高精度高品質の定盤の製造にも取り組んでいます。
相談のきっかけ
中国経済産業局とINPIT広島県知財総合支援窓口が周知活動の一環で同社を訪問した際に「鋳物ホーロー浴槽の質感研究で、広島県(生産技術アカデミー)と一般社団法人との間で、共同開発・研究の契約関係を締結しようとしているが、どうしたものか困っている」との相談を受けたことがきっかけです。
支援概要
契約関係の支援は専門家(天野弁護士)を派遣して対応しました。鋳物ホーロー製の浴槽開発において、共同研究先から提示された契約書案に対し、知的財産権の帰属関係、実施料、及び優先実施権などに関して、天野弁護士の助言を受けながら先方と交渉し、無事締結に至りました。
また、上記を受けて中国経済産業局の水川氏、ひろしま産業振興機構の増田氏、当窓口と共同で、ものづくりの企画・開発のプロセスにおける必要な知的財産権に関して開発部門の方を対象に研修を行いました。
さらに、知財に関しては専門家(齋藤弁理士)から浴槽の見栄えなどに関して特許出願の可能性やノウハウ管理について助言しました。
支援成果
鋳物ホーロー浴槽の質感を向上させる研究において、共同研究契約書について、同社のリスクを軽減したうえで双方合意できる内容の契約書が締結できました。
また、前述の研修でものづくりの企画・開発のプロセスにおいて「知財が担う役割」と「有用なツール」を学んだことにより、同社内で知財の重要性が理解され、知財を絡めて開発が進められるよう体制が強化されました。
企業コメント
官庁との共同研究の契約書は、企業間の契約内容と比べて異なる点が多くあり苦慮していましたが、支援担当並びに専門家の皆様に、具体的にかつ数回に渡って助言をいただき契約締結ができました。
共同研究の成果についても、特許出願について相談に乗っていただき、一連の支援に感謝しています。また、知財研修においては、知識習得と実践を組み合わせたプログラムで行っていただきました。これを今後の開発に生かしていきたいと思います。
窓口担当者コメント
同社は老舗の鋳物メーカーですが知的財産権の生かし方を悩まれていました。今回の支援を通して知財の重要性と経営につながる生かし方を支援できました。今後、移動式かまどなどに関して改良していくとの話も伺っているので、継続して支援していきたいです。
(曽我部 秀雄)
鋳物ホーロー浴槽開発の知財戦略支援(140.4 KB)
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掲載年月日:2025年11月12日