窓口支援事例
一般社団法人大田市観光協会
商標デザイン契約・法務

石見銀山と台湾博物館との友好協定締結記念クラフトビールのネーミング

企業情報

所在地
島根県大田市
ホームページ URL
https://www.ginzan-wm.jp/
設立年
2015年
業 種
公務(観光)
従業員数
32人
資本金

企業紹介

 一般社団法人大田市観光協会(島根県大田市)は、2015年に設立され、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」をはじめとした大田市内外の観光資源の活用・振興、観光客の誘致、地域振興の推進、観光案内やイベント企画運営など多角的な観光振興事業を行う地域の中核的な観光団体です。

相談のきっかけ

 石見銀山世界遺産センターと、台湾にある新北市立黄金博物館との姉妹館協定の締結を記念したクラフトビールの企画・販売を大田市観光協会で計画され、その商標についてINPIT島根県知財総合支援窓口に相談がありました。

支援概要

 そのクラフトビールは、副原料に地域の事業者が手掛ける国立公園三瓶山の地下からくみ上げた天然水「さひめの泉」Ⓡ、石見銀山遺跡エリアで収穫された奥銀山みくす米のほか、台湾を代表する文山包種茶等を使用して、地域の酒造メーカーが独自製法により製造したものです。華やかな味わいに仕上げられ、地域事業者とのコラボ商品として企画されていました。同観光協会では、台湾で人気のビール「金牌台湾ビール」と世界遺産「石見銀山」を意識して、「白銀牌ビール」と名付けて販売を計画されました。
 当窓口において、商標権、著作権等の説明を行うとともに、J-Plat-Patによる商標検索の指導を行い、大田市観光協会が自ら商標のクリアランス調査ができるようサポートしました。窓口派遣専門家も活用して検討した結果、大田市観光協会で、日本及び台湾における商標権上の問題となる可能性は低いとの判断に至りました。
 また、地元石見銀山に在住のデザイナー kokemikanさんが作成したビール瓶に添付するデザインについても、権利関係の調査をサポートしました。
 また、窓口派遣専門家 中井正樹弁理士からは、費用対効果を含めた今後の商標出願の戦略、デザイナーとの契約等についても助言しました。

支援成果

 これらを踏まえ、大田市観光協会は『白銀牌ビール(しろがねはいびーる)』の名称と地域のデザイナーによるオリジナルのラベルデザインを付したクラフトビールを、地域の酒造メーカー製造により2024年11月から道の駅や観光案内所等で販売開始しました。今後は、時期を見ながら商標出願も計画しています。
 台湾との友好の懸け橋として、地域の原料にこだわり地域企業との共同で開発したビールは、NHKや地元新聞など各種メディアにも話題として取り上げられ、現在までに1200本程度を販売しており、上記の友好連携協定のPRと地域の観光振興に大きな役割を果たしています。

企業コメント

 このたびは、同窓口の皆様に、商品化の重要な局面で多大なご協力を頂きましたことに心より感謝申し上げます。
 私ども観光協会が自主事業で商品を開発する際、地域振興への熱意から企画やデザインに注力しがちですが、商標という「権利」の側面がおろそかになりやすいのが実情です。
 今回、「白銀牌ビール」の企画に当たり、商標に関する事前調査の必要性を認識し、同窓口にご相談いたしました。迅速かつ専門的なアドバイスをいただいたことで、安心して開発を進めることができ、無事に商品を世に送り出すことができました。
「知財」は、地域ブランドを守り、育てていくための重要な基盤であると改めて実感しております。今後、この成功事例を生かし、地域の事業者の皆様にも知財の重要性を伝え、地域全体の活性化に貢献してまいりたいと考えております。
 引き続き、知財の面からのご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

窓口担当者コメント

 石見銀山世界遺産センターと新北市立黄金博物館の姉妹館協定締結を記念したクラフトビールのネーミングに当たり、クリアランス調査を伴走型でサポートしました。その結果、販売スケジュールに遅延を生じさせることなく、他社権利の確認を行うことができ、安心して各種メディアに取り上げていただくことができました。
 今後は、必要に応じて権利化の要否を確認し、手続面でのサポートを継続してまいります。
(福井 義弘)

石見銀山と台湾博物館との友好協定締結記念クラフトビールのネーミング(169.3 KB)

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掲載年月日:2025年11月18日

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