窓口支援事例
鹿沼建具商工組合
商標

地域団体商標・鹿沼組子のブランド拡大

企業情報

所在地
栃木県鹿沼市
ホームページ URL
https://www.kanumatategu.jp/
設立年
1965年
業 種
その他
従業員数
39人
資本金
523万円

企業紹介

 栃木県鹿沼市は、木材木工業の集積地です。その始まりは、およそ400年前、日光東照宮の造営時に参集した職人たちが造営期間中、数年にわたり鹿沼の地に逗留したこととされています。爾来受け継がれてきた技術は、戦後の復興期に花開き通商産業省より木製建具の集団産地指定を受けました。こうした経緯から同組合が設立され、現在39社が在籍して活動しています。

相談のきっかけ

 同組合が「鹿沼組子」ブランドを管理していることをINPIT栃木県知財総合支援窓口の支援担当者が知り、同組合の理事長に地域ブランドの向上が望めるよう、地域団体商標の取得検討を提案しました。当時は、鹿沼組子の伝統工芸士が減少している中で、ブランド力を向上する取組みが必要でした。そのような背景から、建具等を広く扱っている同組合の理事会で検討した結果、出願に向けた取り組みを行うこととなりました。

支援概要

 「鹿沼組子」は県による伝統工芸士と、市による伝統工芸として認定されているため、同組合は行政や関連団体と連携を取りながら、出願人適格性や周知性の証拠収集を同組合主体で行い、支援担当とともに証拠性の確認や登録要件を満たすための整理をして2022年に商標出願を行いました。
 拒絶理由通知を受けた段階では、伝統工芸士や関連事業者との情報交換を行うことで新たな証拠物件として、例えば松尾芭蕉でつながる他県へのPR資料等を抽出し、応答内容については藤掛宗則弁理士のアドバイスを頂きました。
 また、出願後には同組合にて商標管理規程を検討するよう支援担当者から提案しました。その結果、登録前に一定の条件を満たす事業者が本商標を使用できることを定めた規程を制定することができました。

支援成果

 2024年に地域団体商標登録(登録番号:第6773227号)をすることができ、その後にINPITが作成している地域団体商標カードを作成し、学校教育の資料として配布することで地域の学習に使用されています。また、登録後に「鹿沼組子」の商標の使用許諾について新たな事業者5社から申入れがあり、事業者の増加に伴う販路の拡大や事業の拡大につながりました。また、時期を同じくして大手鉄道会社の新型車両で鹿沼組子ブランドが一層広まることになり、権利を保有する重要性も高まりました。

企業コメント

 地域団体商標(登録番号:第6773227号)「鹿沼組子」登録後、栃木県や民間企業より大口案件の依頼を受け、1物件は既に納品施工が完了、もう1物件も打合せが進んでいます。商標登録の意義を感じるところです。今後も、安定受注や組合員企業の経営健全化に、地域団体商標登録が寄与してくれるものと期待しています。

窓口担当者コメント

 地域ブランド力の向上に貢献できないかと思い支援をしてきましたが、温かい伝統工芸士や伝統工芸の事業者の方々と関わることができ、鹿沼組子ブランドの強化に微力ながら貢献できたのではないかと思います。特に組子細工に対する、部品としての扱いからブランド工芸品という意識への変化が一層浸透していくことを期待しています。 (坂口 雅一)

地域団体商標・鹿沼組子のブランド拡大(218.0 KB)

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掲載年月日:2025年12月 2日

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