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手動機型ラベラーの自動化技術開発

企業情報

所在地
群馬県邑楽郡
ホームページ URL
-
設立年
2003年
業 種
製造業
従業員数
2人
資本金
-

企業紹介

 当社は、国内外における省力機械、産業機械、ウエハー搬送装置及び自動車産業用機械の組立てや、それらの調整、現地据付けや試運転等を業として起業し行っていましたが、新型コロナウイルス感染症による受注減少を契機として、2021年に化粧品関係の新事業に移行し、円筒形容器のラベル貼りをメインとし、各種のラベル貼りや化粧箱作り等の業務を行っています。

相談のきっかけ

 同社はこれまで数々の新型機械の開発を手掛けてきたものの、特許等の知財による保護について特別な認識はありませんでした。今回、同社で使用している手動機型ラベラーの生産性向上を図るために、付帯装置として開発した容器自動搬送供給装置が、特許保護に値するかどうかという疑問から、INPIT群馬県知財総合支援窓口に相談に来られました。

支援概要

 発明の内容の検討過程から支援を開始し、専門家(岡田義敬弁理士)相談の活用や、J-PlatPatを使用した先行技術調査についての助言を行い、特許で保護することを推奨しました。これとともに、ぐんま技術革新チャレンジ補助金(知財出願費)の申請、早期審査請求制度及び料金減免支援制度の利用を支援しました。
 2回にわたる拒絶理由通知への中間対応についても、専門家相談の実施と審査官面接に向けての支援を行いました。その結果、特許権を設定登録することができました(特許第7652432号)。
 また、ノウハウとして秘匿すべき技術の特定や、情報管理の方法及び秘密保持契約についても支援しました。特許発明のライセンス等の活用については、公益財団法人群馬県産業支援機構(ビジネスサポートBASEぐんま“ココカラ”、 群馬県よろず支援拠点)と連携し、支援を行っています。

支援成果

 ラベラー(ラベルやシールを製品や容器に貼り付ける機械)は、生産能力の違いにより、大量生産対応の全自動機型(約10万~100万本レベル)と少量多品種対応の手動機型(約1万本未満レベル)に区分されます。開発当時、多品種で中間ロット数(1万~10万本レベル)に対応する機械はなく、生産依頼は多いものの引き受けられない状況に陥っていました。
 しかし、容器の自動搬送供給装置を開発して、人手による容器の載置作業を機械に置き換えたことで、手動機型ラベラーを自動化することができました。その結果、生産能力と製品品質を向上し、生産依頼がほぼすべて受注可能となり、劇的な生産数の増加(開発前80万本、開発後240万~250万本)を実現できました。

企業コメント

 手動機型のラベラーは多品種向きで汎用性はあるが生産能力が低く、自動機型のラベラーは生産能力は高いが汎用性がありません。販売店に問い合わせたところ、汎用性のある自動機型ラベラーはないとの回答であったため、自分で作るしかないと思い開発に至りました。本発明は各メーカーで同等の機能を備えている手動機型に対応可能です。同窓口での様々な支援を受け、専門家(岡田義敬弁理士)を交えて何度も何度も打合せを繰り返し、無事に特許権を取得できました。

窓口担当者コメント

 同社は生産性の改善を常に課題として捉え、様々な改善や工夫を生み出されています。ラベラー生産性が向上したことによる製品梱包作業の増加に対し、新たな作業ツールを開発して特許出願されました。さらなる飛躍に向けて知財面から支援を続けます。 (櫻井 郁朗)

手動機型ラベラーの自動化技術開発(470.1 KB)

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掲載年月日:2025年12月 4日

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