窓口支援事例
比嘉組
特許実用新案意匠

現場の困り事から発想したアイデアを製品化

企業情報

所在地
沖縄県名護市
ホームページ URL
-
設立年
2000年
業 種
建設業
従業員数
3人
資本金
-

企業紹介

 建設工事現場において型枠工事などを請け負う建設業を営んでいます。建設現場では、重量物を安全につり上げるための玉掛け作業が不可欠であり、とりわけ大型の建設工事においては、ワイヤーロープの安全管理が重要な役割を果たしています。

相談のきっかけ

 型枠工事などの建設現場で多く使用されるワイヤーロープは、業界の自主ルールにより、一定期間ごとに損傷の有無などの点検が求められています。その点検履歴を示すため、色の異なるビニールテープをワイヤーに巻き付けて表示する運用が一般的です。
 しかし現場では、点検のたびに既存のビニールテープを剥がし、新たに別の色のテープを巻き直す必要があり、手間がかかる上、作業効率の低下や廃棄物の発生といった課題がありました。
 相談者は、日常業務の中で不便さを感じていたワイヤー点検用テープについて改良のアイデアを温めており、そのアイデアを知的財産として保護できないかと考え、INPIT沖縄県知財総合支援窓口へ相談に来られました。

支援概要

 従来は色の異なる4本のビニールテープを使い分ける運用が一般的である中、相談者は、1本で多色表示が可能な面ファスナーを用いて代替するアイデアを考案しました。本アイデアについて、特許・実用新案・意匠といった知的財産の観点から保護する方法を検討し、費用面や権利取得までのスピード感を踏まえ、意匠権による保護が適していると助言しました。その結果、相談者考案の点検用テープについて、関連意匠を含む2件の意匠出願を支援し、登録に至りました。(第1768636号、第1817797号)
 また、製品化に向けては、製造メーカーや卸先、販路の探索について助言を行いました。相談者は実際にメーカーに製作を依頼し、試作品を一定期間現場で使用することで、耐久性や実用性、作業効率などを確認しながら試行錯誤を重ねました。
 さらに、建設資材業界では安価な提供が求められることから、事業化を見据えた収支計画や価格設定についてもアドバイスを行いました。加えて、デザイン専門家(山内真一氏)を派遣し、製品を包装する際のパッケージ形態やデザインについて専門的な助言を行いました。

支援成果

 相談者は、同点検テープを製造可能な企業に生産を委託し、製品化を実現しました。製品は県内の卸売企業を通じて流通し、2025年12月より、県内の金物店等で販売が開始されました。発売当初は県内での販売が中心となりますが、ワイヤー点検は全国の建設現場で行われていることから、県内での販売実績を踏まえ、将来的には全国展開されることが期待されています。

企業コメント

 日頃の業務の中で感じていた小さな不便さを形にできないかと考えていたところ、知的財産の考え方や手続について説明いただきました。意匠出願を通じてアイデアを保護し、製品化に向けた方向性を検討する良い機会となりました。また、工場の探索やパッケージについても助言を頂き、実際の製造・販売につなげることができました。今後も現場の視点を大切にしながら、より使いやすい製品づくりに取り組んでいきたいと考えています。

窓口担当者コメント

 本件は、現場で日常的に感じていた課題を出発点とした実用性の高いアイデアであり、知的財産権制度を活用することで、製品化への道筋を明確にすることができました。意匠権による保護を行うとともに、試作品の検証や事業化に向けた検討を段階的に進めることで、市場投入に至った事例と考えています。今後、県内での販売実績を積み重ねながら、さらなる展開につながることを期待しています。 (宮川 準)

現場の困り事から発想したアイデアを製品化(183.4 KB)

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掲載年月日:2026年2月26日

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