窓口支援事例
知財複合的保護と知財体制整備
企業情報
- 所在地
- 京都府京都市
- ホームページ URL
-
https://www.fptools.com
- 設立年
- 1944年
- 業 種
- 製造業
- 従業員数
- 80人
- 資本金
- 1,161万円
企業紹介
当社は、1932年の創業以来、リーマ専業メーカーとして80年以上にわたり、世界中のお客様に高品質・高性能な製品を提供し続け、ものづくり産業の発展に貢献してきました。「より良いリーマを作る」という不変のテーマのもと、従業員一人ひとりが、当たり前のことを確実に実行する力、変化を読み取り柔軟に対応する力、そして成功するまでやり抜く力を日々磨いています。その結果、リーマ分野において国内トップシェアを確立しています。
相談のきっかけ
リーマとは、ドリルなどであらかじめ加工された下穴を、要求された所定の「寸法」「精度」に仕上げるための「穴仕上げ用工具」です。同社は「食付きで発生した切りくずが伸びて工具に絡む」という課題に着目し、形状を工夫することで切りくずを短く分断し、工具への絡まりを防止する新形状を開発しました。
本製品を2023年10月の展示会で発表するに当たり、事前に特許権及び意匠権を取得したいと考えたことが、INPIT京都府知財総合支援窓口への相談のきっかけでした。
支援概要
既に明細書(案)を作成されており、その内容から進歩性の考え方を説明し、特許請求の範囲の記載については、発明のポイントをどのように表現したら良いか、また特許請求の範囲の記載と明細書の記載内容について支援しました。
意匠については、意匠が特定されているか、6面図の整合性を確認しました。特許・意匠ともオンライン出願できるよう助言しました。
その後も社内で試験・検証を進める中、構成要素の一つがなくても、切りくず排出に効果があるという結果が出たため、国内優先権を主張して請求項1のポイントを明確にすることを助言しました。早期審査での拒絶理由通知に対し、明確性違反については、明細書に記載されている事実に基づいて補正案を検討するよう説明し、進歩性違反については、引例に対してどのように構成上の差異を出したらよいか、拒絶理由に対する応答の仕方について助言したことで登録に至りました(特許第7714763号)。
意匠は、登録料納付と同時に秘密意匠とする支援も行いました(権利化した4件 基礎意匠登録第1773410号、関連意匠登録第1798502号、意匠登録第1773412号, 第1773411号。)。
また、シリーズ名「F-PREMIUM」と製品名「プレミアムリーマ」の商標出願も支援しました。
支援成果
特許と意匠の両方の権利化は、製品の「機能・アイデア」と「外観デザイン」の双方を強力に守る戦略であり、模倣品に対する防御力を最大化する意味を持ちます。今回、機能面を特許で、見た目の特徴を意匠でカバーすることで、機能が同じでデザインが少し違う模倣品、デザインが同じで機能が違う模倣品の両方に対応でき、強固な権利保護が期待できました。
新製品の開発の進み具合で、特許は国内優先権を使って製品をカバーできる請求項の補正を行い、早期審査で製品リリースから権利化までのタイムラグを埋めることができました。意匠は基礎、関連意匠の出願ができました。また、新製品の商品シリーズ名、商品名(特許取得の形状)も出願できました。
今回、社内で特許・意匠出願が初めてとのことで、職務発明規程の重要性を検討されて、総務課の担当者とともに職務発明規程の策定にも取り掛かっておられます。
企業コメント
知的財産についてほとんど知識がない中、発表間近の新製品が特許出願に値するかどうかについて相談させていただきました。その際、特許出願と併せて意匠出願も行うべきとのアドバイスをいただきました。発表まで2か月を切るタイトなスケジュールの中、親身になってご支援いただき、当社として初めてとなる特許・意匠出願を行うことができました。その後も折に触れて相談に乗っていただき、最終的に特許取得にまで至りました。的確なアドバイスは大変心強く、深く感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします。
窓口担当者コメント
同社が手掛ける「リーマ」は、高精度な穴加工を実現する"仕上げの匠"です。
刃径公差0~+1μm(0.001㎜)未満という、他の追従を許さない精度を誇る「超硬μ(ミュー)リーマ」は、超精密穴加工に最適な製品です。ニッチな分野であるリーマの各部の名称を理解するのが大変でした。
今回、齋藤真大弁理士(京都北山特許法律事務所)は、新製品について効果的に保護するかを検討され、特許権利範囲の検証・国内優先権・関連意匠・部分意匠・秘密意匠・商標登録願と一連の支援をしていただきました。また、INPIT専門家の支援を受けて「職務発明規程」のひな形も作成され、相談者に寄り添う支援ができました。
(植田 あけみ)
知財複合的保護と知財体制整備(196.9 KB)
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掲載年月日:2026年3月11日