ピックアップ事例

テクノグローバル株式会社(大阪府)

オリジナルの契約書を作成し、自他社ともに信頼向上へ

背景

金型製造にとどまらず、製品設計から各種プラスチックの成形加工、製品組立までを一貫して手掛け、金型の材料や製造方法等に独自ノウハウを持ちます。また、プラスチック金型のトータルアドバイザーとして、それらのノウハウを活かして、企画・開発の段階から製造、品質管理、メンテナンスに至るすべての段階でお客様の立場に合ったサポートを行っています。展示会でINPIT大阪府知財総合支援窓口と出会い、模倣品対策のために意匠の出願等の支援を受けていたところ、独自ノウハウを営業秘密として管理することを勧められました。

取組

知的財産戦略アドバイザー(知財AD)に来社してもらい、まずは社内の秘密とすべき情報の具体例やそれらを営業秘密として守る重要性、法制度を聞きました。その結果、技術ノウハウについて、やはり早急に管理体制を整えなくてはいけないとの認識に至りました。対応すべき事項としたのは、取引契約における秘密保持条項の見直し、見学者への対策、社内ルール(情報管理規程)の整備、秘密情報のリストアップ等です。

取引基本契約書等の秘密保持契約書は、従前は相手から提示されたものを用いることが多くありました。そこで、今後は当社から秘密保持契約書の案を提示できるように、経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」掲載のひな形を参考にオリジナルの契約書を作成しました。また見学者について、これまで特段の対策もなく受入れをしていましたが、立入可能な区域とコースを設定するとともに、見られては困る作業場のガラス窓には内部見学防止のフィルムを貼り、さらに製造現場の入り口には「立入禁止」や「撮影禁止」の立て看板の設置を行いました。そして、情報管理規程の検討にあたっては、知財ADに就業規則の秘密保持条項や罰則条項を確認してもらった上で、情報管理規程との間で重複や矛盾がないように改訂しました。

上記のほか、マル秘表示した書類を保管管理するため、専用のキャビネットを導入し、年末の大掃除のタイミングで配置換えを行うことも行っています。

取組を振り返って

INPIT大阪府知財総合支援窓口のフォローもあり、6ヶ月程度で、営業秘密の管理体制を整えることができました。全社の取り組みと位置付けて、営業秘密を守り、事業に活用する意思を示したことで、従業員の自発的取り組みも見られるようになりました。意識が変わったと感じています。またオリジナルの契約書を提示できるようになり、取引先との信頼関係を築く一助にもなっています。今後もしっかり管理していきます。

営業秘密・知財戦略相談窓口からのコメント

初回は2017年6月。社長の強い実行力によって取り組みが着実に前進しました。社長自らが積極的に取り組む姿勢を示すことで、社内においてますます社長の信頼が深まっていったように感じます。営業秘密の管理体制は、強いリーダーシップがあれば短期間で構築できることを再確認したケースとなりました。管理体制は、適時の見直しで更によりよく発展させることができます。ぜひ取り組みを継続していただければと思います。

企業概要

金型製造にとどまらず、製品設計から、各種プラスチックの成形加工、製品組立までを一貫して手掛けています。ヒューバー針抜針器は、りそな中小企業振興財団・日刊工業新聞社共催、経済産業省中小企業庁後援「第30回中小企業優秀新技術・新製品賞」奨励賞を受賞。

名称
テクノグローバル株式会社
代表者
代表取締役社長 高田 弘之
本社
大阪府八尾市跡部南の町1-1-37
資本金
600万円
従業員
21名
事業内容
プラスチック製品設計支援、試作金型の製造及び成形、量産金型の製造及び成形、小ロット製品組み立て
電話番号
072-993-7935
URL
http://techno-global.jp

[最終更新日:2019年3月29日]

[この記事に関するお問合わせ先]
知財戦略部 エキスパート支援担当
メールアドレス:ip-sr01@inpit.go.jp
営業秘密支援窓口へのご相談は こちら をご覧ください。

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