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★営業秘密のツボ★2018.02.21_第20号【経済産業省知的財産政策室より】

2018年02月22日

営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。

INDEX

  1. 訴訟・判決コラム
  2. サイバーセキュリティ対策
  3. セミナー・イベント等のお知らせ
  4. 営業秘密関連情報のご紹介

巻頭メッセージ

農林水産省食料産業局 知的財産課
課長 杉中 淳

農林水産業というと知的財産とはあまり縁が無いように思われがちですが、実際には様々な知的財産が産み出されています。例を挙げると、植物新品種や農業機械の開発、農産物の商品名・販売パッケージのデザイン等があります。また、技術力の高い農業者が有する特別な栽培方法やノウハウなどは、企業で言えば営業秘密にも相当するものです。
近年、あらゆる産業でICTやAIの活用、ロボット化が進展しており、これは農林水産分野も例外ではありません。以前であれば継承が難しかった「匠の技」がAI等を活用することによって、誰でも短期間で学習できるようなシステムが開発され、実用化段階にあります。一方で、農林漁業関係者の知的財産に関する意識は高いとは言えず、営業秘密に当たるような技術やノウハウでも、国際協力の一環として海外に提供されたりしてきました。また、農林水産分野ではどのような管理をすれば営業秘密として守られるのか十分に検討したと言えない状況にあります。優れた技術やノウハウは、我が国の高品質な農林水産物生産を支える重要な知的財産であり、流出すれば我が国の優位性が毀損される懸念があることから、適切に保護・活用していく必要があります。また、農林水産省が行ったアンケート調査では、ノウハウ等が漏れて同じ方法で生産された農産物が市場に出回ったり、開発した技術が他者に特許出願されたりするなどのトラブルが実際に発生していることが分かりました。このため、当省では、農業技術やノウハウが知的財産としての価値を有することやその管理の重要性の説明、ノウハウを活用したビジネス化の事例などを紹介したパンフレットの作成に取り組んでいます。今後、本パンフレットを農業関係者に広く周知し、知財意識の醸成を図りたいと考えています。
このほかにも当省では、知的財産に関係するものとして、地理的表示(GI)や新品種の国内外での保護、JAS制度による規格の標準化、農業データの利活用等を進めています。知的財産は、我が国農業の競争力強化や輸出促進を図る上で極めて重要であり、これらの施策を通じ、農林水産分野における知財保護・活用に向けた取組を一層推進して参ります。
また、農林水産分野の知的財産制度を解説した農水知財テキスト「攻めの農林水産業のための知財戦略~食の日本ブランドの確立に向けて~」が本年1月に発刊されました。本テキストは農水知財関係の法律を網羅的にまとめた初めてのテキストです。本書が、法律関係者のほか、農林水産事業者や食品業者など関係機関の皆様の今後の活動の一助となれば幸いです。

【1】 訴訟・判決コラム:弁護士知財ネット

電子媒体と紙媒体等複数の媒体で同一の営業秘密を管理する場合の秘密管理性

弁護士知財ネット近畿地域会 弁護士 平野 和宏

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本コラムでは、電子媒体と紙媒体等複数の媒体で同一の情報を管理する場合の媒体の管理に関し、例えば、電子媒体にはパスワードの設定等相応の管理体制を構築していたものの、紙媒体のコピーやスキャンなど実際の事業活動における情報の使用において紙媒体の管理を疎かにした結果、秘密管理性が否定されることがあることについて、裁判例も紹介しながら、ご説明します。
https://www.iplaw-net.com/category/tradesecret-mailmagazine-column

【2】 サイバーセキュリティ対策:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

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情報セキュリティ10大脅威 2018:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
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2017年に発生した社会的に影響が大きかったと考えられる情報セキュリティにおける事案・脅威候補につき、「10大脅威選考会」が審議、決定した順位を公開しました。
ビジネスメール詐欺、脆弱性悪用の増加、セキュリティ人材不足等のトピックスがランクインしています。
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/10threats2018.html

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2020年1月にWindows 7、Windows Server 2008の延長サポートが終了
~システム環境や業務内容に合わせた移行計画を~:

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

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2年後の2020年1月14日、マイクロソフト社のOS:Windows 7、およびWindows Server2008の延長サポートが終了する予定です。延長サポート終了後は、新たな脆弱性が発見されても更新プログラムは提供されず、常にセキュリティリスクを抱えたままの状態に陥り、ウイルス感染や不正アクセスなどの危険に晒されます。
サポート終了OSを継続使用しないよう、余裕を持った移行計画立案が推奨されます。
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/mgdayori20180122.html

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脆弱性対策情報データベースJVN iPediaの最新情報
~2017年第4四半期の登録状況等~:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

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本データベースでは、ソフトウェア製品に関する脆弱性対策情報を公開しています。
登録された脆弱性対策情報の年間登録件数は、2017年の13,792件が過去最多で、2016年と比べて2倍以上でした。脆弱性に対する、より適切な対応が求められています。
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/report/JVNiPedia2017q4.html


深刻な脆弱性情報として、2月2日には緊急区分のAdobe Flash Playerの脆弱性が注意喚起され、更新プログラムも2月7日に公表されています。ご注意ください。
https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20180202-adobeflashplayer.html

【3】 セミナー・イベント等のお知らせ

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2018年「サイバーセキュリティ月間」のイベント開催のご案内:
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)

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2月1日~3月18日の「サイバーセキュリティ月間」に関連し、サイバーセキュリティに関するセミナー等の取組が、全国で開催されています。
その一環として、3月4日(日)には秋葉原UDXでイベントが開催される予定です。
https://www.nisc.go.jp/security-site/month/index.html

【4】 営業秘密関連情報のご紹介

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産業構造審議会 知的財産分科会 不正競争防止小委員会 中間報告:
経済産業省知的財産政策室

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産業構造審議会知的財産分科会不正競争防止小委員会第9回を1月19日(金)に開催し、データ利活用促進に向けた検討中間報告がとりまとめられました。
中間報告は以下のサイトからご覧いただけます。
http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/20180124001.html

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知財戦略アドバイザーのコラム:
独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)

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営業秘密を管理・活用する上で皆様のお役に立つようなちょっとした豆知識等を紹介しています。
「経営者の熱意が重要です」
INPIT 知財活用支援センター 知財戦略部 知的財産戦略アドバイザー 小高 邦夫

https://faq.inpit.go.jp/tradesecret/service/column.html

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3.「営業秘密・知財戦略相談窓口」をご活用ください:

独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)

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知的財産戦略アドバイザーが企業に出張訪問して、秘密情報の管理体制(例えば、書類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)の整備を支援させていただくケースが増えてきています。個別企業訪問セミナーも好評で多数実施しています。「営業秘密・知財戦略セミナー」を企業のニーズに応じてカスタマイズし、社内でセミナーを開催することができますので、是非ご活用ください。
お問い合わせはこちらへ:電話03-3581-1101(内線3844)
https://faq.inpit.go.jp/tradesecret/service/

事務局のつぶやき

★今月のIPA★
二月も後半になると、年度末もすぐ間近…という「焦燥感」とは別に、例によって凶暴な花粉が猛威をふるい始めるタイミングという物理的「むずむず感」も生じます。年度内のお仕事を完遂する計画性と、己の体の免疫機構。双方もう少しまともに機能するよう精進せねばと思いつつ、いろいろと先延ばしにしがちな昨今であります。さて、その二月ですが、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が主導するサイバーセキュリティに関する啓発を目的とした「サイバーセキュリティ月間」でもあります(2月1日~3月18日)。
今年も関係府省庁、企業等のサイバーセキュリティ関連セミナー等、様々な取り組みが集中的に行われている中、本文中でご紹介したホームページでは、多彩な分野で活躍する多士済々な方々の「日替わりコラム」等も公開されています。
https://www.nisc.go.jp/security-site/month/column/index.html
こうした企画で、皆様も改めてサイバーセキュリティを取り巻く最新動向などを身近に体感されてみてはいかがでしょうか?
「つぼマガ」第20号をお読みいただき、ありがとうございました。(編集子)
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バックナンバーを、IPAサイトにて公開しています。
https://www.ipa.go.jp/security/economics/mailmag/

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