開発した新技術を特許とノウハウ秘匿化の両面で保護

企業情報

所在地

富山県南砺市

ホームページ URL

http://s-yamada98.wixsite.com/sankeikanagata/home

設立年

1970年

業 種

製造業

従業員数

40人

資本金

1,250万円

企業概要

　当社は１９６６年に三恵金型製作所として創業して以来約半世紀、プラスチック金型専業メーカーとして延べにして約１万型の金型を設計製作してまいりました。特に高い技術を要する「入れ子」式金型による複雑な成形が求められる自動車向けのカーエアコンや電装部品用の金型製造を得意としています。

自社の強み

　技術力を要する「入れ子」式金型を用いた設計・製作技術を持っています。材料効率の向上や不良率の軽減につながるホットランナーが１０点設けられた自動車向けラジエーター金型、入子点数が１,０００点にも及ぶ自動車向け電装部品の金型、単純な機構ながら高い精度を実現するラック＆ピニオン機構を用い、製造コストを抑えたペン先の金型などの実績を積み重ねてきました。
　今回開発した「多段式射出成形技術」により、新たな成形機の導入なしに既存設備で量産化へのコストダウン提案ができます。２０１７年初受注、初納入し、２０１８年に超モノづくり部品大賞の機械・ロボット部品賞を受賞。
　２０２０年には更に改良を加えランナーレス多段射出成型金型を開発し、２０２２年には超モノづくり部品大賞・環境エネルギー関連賞受賞しました。

一押し商品

　当社が開発した「多段式射出成形技術」はプラスチックやゴムの薄肉製品、小さな製品に向いていますが、投影面が同じであれば１段毎に違う形状の製品、例えばクルマのゴム製フロアマット等にも使用できます。成形機１台で４種類の製品を同時に量産することが可能です。そして、この成形方法は自動車、電機、家電、日用品、食品、医療、建築、航空機等の多岐分野に使用できる汎用性の高い技術です。

知財総合支援窓口活用の概要（記：窓口担当者）

窓口活用のきっかけ

　同社が開発された多段式射出成形技術を特許権利化して保護すべきか秘匿化して保護すべきかについて知財総合支援窓口のアドバイスを受けることを取引先金融機関から勧められ、当窓口にご連絡をいただいたのがきっかけです。

最初の相談概要

　金型自体は市場に出回るものではないため、重要な箇所を溶接し、分解できなくする方向により技術を秘匿化して保護することをお勧めしました。また、秘匿化する技術情報の管理や先使用権の証拠確保について、INPIT知的財産戦略アドバイザーから指導していただきました。

その後の相談概要

　その後、同社で多段式射出成形技術に改良を重ねられ、当初ご相談いただいたころからの進歩が大きかったため、専門家（弁理士）による支援や富山県知的所有権センターとの連携を通じて、特許権利化すべき部分とノウハウとして秘匿化すべき部分について改めてアドバイスをしました。その結果、基本原理構成を特許出願しても、具体化におけるノウハウを秘匿化することで、他者が模倣追随をすることは困難との結論に至り、具体化におけるノウハウを除いた基本原理構成について特許出願を完了されました。

窓口を活用して変わったところ

　同社は従来の金型受注ビジネスに加え、今回の多段式射出成形技術の実施許諾収入を得るビジネスモデルを考えられていましたが、秘匿化戦略だけではリスクが高いと思われました。今回特許出願できたことで、特許と秘匿化したノウハウの両面で保護できる目処が立ち、このビジネスモデルで継続して収益を得られる可能性が高まったと思います。

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企業からのメッセージ

　窓口担当者の方に毎回親切丁寧に面談して頂きました。知的財産や特許に関する事以外も、例えば、案件の販売展開、大企業の考え方、企業戦略、海外展開についてその道に明るい専門家に無料で相談させて頂けます。ご利用を検討されている企業様にはとても良い公的機関だと思います。まだ道半ばですが、これまでアドバイスをしていただいている窓口担当者を始め専門家の皆様に大変感謝しております。

窓口担当者から一言

開発した新技術を特許とノウハウ秘匿化の両面で保護(386.3 KB)

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掲載年月日：2018年5月28日

更新年月日：2024年2月13日